悪い姿勢になると頭痛になる。姿勢と頭痛の関係

mike

ここでは悪い姿勢と頭痛との関係を解説します。

tora

悪い姿勢になると肩こりになるのはわかるけど、頭痛はなんで?

mike

悪い姿勢に伴う「ある変形」が、頭痛の大きな要因になるからです。

 背中が丸まると肩こりになるというのは、誰でも想像できると思います。しかし、背中が丸くなると頭痛になるというのは、あまり想像できないかもしれません。

 しかし、実は頭痛も肩こりと同じくらい悪い姿勢なると頻繁に現れる症状の一つなのです。

 そこでここでは、悪い姿勢と頭痛の関係を解説していきましょう。

頭痛イラスト
記事を読む前に

ここでの記載内容は各種文献と著者の治療室における統計分析に基づいた一定の信頼のおけるものですが、症状の原因は個人により様々です。症状が深刻な場合は、まず最初に専門の医療機関で診断を受けるようにしましょう。

目 次

肩こりになると発症する頭痛、緊張性頭痛(きんちょうせいずつう)

 頭痛にはいくつかの種類があります。その中で悪い姿勢と一番関係しているのが、緊張性頭痛(きんちょうせいずつう)です。

 緊張性頭痛とは、肩こりや首コリにより引き起こされる頭痛です。後頭部から頭頂部にかけてズキズキと痛む鈍痛が特徴でで、首から肩にかけての強いコリや張りが伴います。

肩こりや首コリが頭痛を引き起こす原因は、コリによる筋肉の緊張が神経を刺激するからです。

大後頭神経
首のつけねにある神経が刺激される事で頭痛が誘発される

 上図は、肩から首の主要な筋肉を示しています。オレンジ色の部位は肩こりを引き起こす代表的な筋肉です。図中の後頭部付近から生える枝状の神経に注目してください。

 この神経は大後頭神経(だいこうとうしんけい)という神経で、首のつけねから後頭部を通り頭頂部に至る神経です。図からもわかる通り、この神経は肩と首の筋肉の間を通過して外側に出てきています。その為、肩から首の筋肉が緊張すると、神経を締め付けて神経痛を引き起こすのです。

頭痛の広がりイラスト
肩・首コリが神経を刺激して頭痛になる。

 この大後頭神経の神経痛が緊張性頭痛です。その為、肩こりや首こりの強さに比例して頭痛の程度もひどくなる傾向があります。

悪い姿勢になると頭痛になる仕組み

 肩こり・首コリが頭痛を誘発する仕組みはご理解いただけたと思います。では、悪い姿勢が頭痛の原因となるのは、悪い姿勢が肩こり・首コリを引き起こすからなのでしょうか。

 もちろん、それも理由の一つです。なぜなら悪い姿勢は、慢性的な肩こり・首こりの主要な原因だからです。

 しかし、理由はそれだけではありません。

 悪い姿勢が頭痛を引き起こす主な理由は、猫背に伴う「ある変形」が大後頭神経を強く締め付けるからです。

 その頭痛の原因となる変形を、猫背になる過程を見ていくことで紹介しましょう。

姿勢による頭痛解説イラスト1
(左)正しい姿勢 (右)背中が丸く猫背になった

 上図は猫背になる最初の段階を示した図です。何らかの原因により、左の正しい姿勢から右のように背中が丸く変形したとします。

 図からもわかる通り、背中が丸まる事に連動して頭は前に傾きます。このように目線が下がった状態のままでは前を見る事ができないだけでなく、からだのバランスも不安定です。

姿勢による頭痛解説イラスト2
(左)猫背になると目線は下がる (右)正面をみる為にアゴが上がる

 そこで上図右のように、背中の丸まる程度に合わせてアゴをあげる必要が出てきます。つまり、猫背とはただ単に背中の丸い姿勢ではなく、アゴも上がっている姿勢なのです。

 このアゴ上がりの変形が、強い頭痛を引き起こす原因です。アゴが上がる事で後頭部に締め付けの力が加わり、先ほど紹介した大後頭神経を強く圧迫するからです※1

 以上をまとめると、悪い姿勢になると頭痛になる仕組みは以下のようになります。

  • 背中が丸まる事で肩こり・首コリになり、それが大後頭神経を刺激する。
  • 背中が丸まると必ずアゴは上がった状態になる。すると後頭部に締め付けの力が加わり、それが大後頭神経を締め付けて強い頭痛を引き起こす。

 ※1 アゴが上がりの変形が典型的な頭痛の原因である一方、その真逆となる首が真っすぐになるストレートネック変形も、実は典型的な頭痛になる原因です。そうなる理由は首の筋肉を過剰に緊張させる事が原因だと考えられています。

片頭痛と姿勢との関係

mike

ここまで、悪い姿勢と緊張性頭痛との関係を解説しました。

tora

頭痛には他の種類もあるよね。それは姿勢と関係してないの?

mike

緊張性頭痛ほどの関係性はありませんが、少なくとも要因の一つになっていると考えられています。

  頭痛には緊張性頭痛以外にもいくつかの種類があります。その中でもよく知られているのが 片頭痛(へんずつう)です。

  片頭痛は側頭部にある血管が関係する頭痛です。何らかの原因により側頭部の血管が異常な収縮と拡張をする事で神経が刺激され頭痛が引き起こされます。痛みの特徴は側頭部を中心とした「どくどく」と脈打つ強い痛みです。

  片頭痛になる主な要因は、血管をコントロールする自律神経のトラブルだと考えられています。その為、姿勢との直接的な関与はありません。しかし実際は、姿勢矯正をすると半分ほどの症例で改善が見られます

 そうなるはっきりとした理由はわかりませんが、多くの頭痛は単一の原因ではなく、複数の原因から引き起こされる事が関係していると私は考えてます。

  片頭痛の主な原因は自律神経の乱れですが、自律神経の乱れる原因は複数あり、その中の一つには首周辺の筋肉の緊張も含まれています。そして悪い姿勢は首周辺の筋肉を強く緊張させる主な原因でもあるからです。 

まとめ

mike

以上、悪い姿勢と頭痛との関係を解説しましたがいかがでしたでしょうか。

tora

頭痛で悩んでいる人は多いけど、あまり姿勢と関連づけて考えている人は少ないんじゃないかな。

mike

そうですね。もちろん姿勢以外にも頭痛の原因は沢山ありますが、原因がよくわからず慢性的に頭痛に悩まされている方は、一度自分の姿勢をチェックしてみるのがお勧めですね。

 最後にポイントをまとめます。

  • 頭痛は悪い姿勢による典型的な症状。
  • 悪い姿勢になると首・肩こりになり、その筋肉の緊張が後頭部の神経を締め付けて頭痛を引き起こす。
  • 背中が丸くなると必ずアゴが上がる。それにより神経が締め付けられて頭痛が引き起こされる。
  • 頭痛が片頭痛の場合でも、姿勢矯正をすると半数程度は改善する。

参考文献
(1) カイロプラクティックマネジメント(エンタプライズ社):緊張性頭痛 p251
/ THE CHIROPRACTIC REPORT NO5

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