猫背になると腹筋トレーニングが苦手になる? 腹筋と姿勢との関係

姿勢エトセトラ
tora

質問のお手紙が届いていますよ。

mike

はいはい。

???

 姿勢矯正をしたいと考えています。ある書籍に「矯正には腹筋を鍛えるとよい」と書かれていましたので、腹筋と体幹を鍛えるトレーニングから初めてみました。
 しかし、すぐに腰を痛めてしまい、その後も度々腰が痛くなる為、現在は中断しています。そこで姿勢矯正に適した腹筋トレーニングの方法を教えてください。

tora

姿勢矯正に適した腹筋トレーニング方法を知りたいとの事ですが。

mike

こちらで紹介していますのでよろしければご覧ください。でも行う前に、一つ大事な注意点があります。

tora

え? なに?

mike

実は悪い姿勢のまま腹筋を鍛えても、あまり筋力がつかないのです。そればかりか、この質問者のように体を痛めてしまう場合もよくあります。
ですから、腹筋を鍛えるのは矯正後がお勧めです。

tora

えー、でも腹筋を鍛えないと矯正できないんじゃない?
なんか矛盾してる気がするけど。

mike

その矛盾点も含めて質問にお答えしていきまょう。

目 次

なぜ腹筋トレーニングは姿勢矯正に有効なのか

 姿勢矯正の解説本などを読むと、腹筋や体幹(胴体を支える筋肉のこと)トレーニングを勧めている場合がよくあります。実際、腹筋を鍛える事は姿勢矯正に効果的であり重要な要素でもあります。

 そう言える理由は、悪い姿勢になると必ず腹筋は弱くなるからです。

 悪い姿勢なると腹筋が弱まる仕組みを図を用いて解説しましょう。

全身の反り返り
悪い姿勢の共通変形・全身の反り返り変形

 上図は正しい姿勢(左)と猫背姿勢(右)の模式図です。図中の赤線はからだのラインを大まかに示しています。

 両者を比べると、猫背の方が背中が丸いのはもちろんですが、全身が弓なりに変形している事もわかります。これが全ての悪い姿勢に共通して見られる「全身の反り返り変形」です。そしてこの変形こそ腹筋が弱まる原因です。

反り返りによる身体への負担の違い

 上図は、「全身の反り返り変形」による腹筋と背筋への影響を示しています。左の正しい姿勢において腹筋と背筋は同じ程度の長さですが、右の全身が反り返った状態(ここでは胸つき出し姿勢)では、からだが弓なりになる事で腹筋は上下に引き延ばされた状態になっている事がわかります。このように筋肉は引き延ばされると、力を発揮できなくなり弱まってしまう性質があります。

 これが姿勢矯正に腹筋運動が効果的な理由です。つまり弱くなった腹筋を鍛える事で、全身の反り返り変形を改善する効果があるからです。

悪い姿勢のまま腹筋を鍛えるとケガをしやすい

 このように腹筋運動は姿勢矯正に効果的なのですが、それでも矯正の初期から腹筋運動をするのはあまりお勧めできません。なぜなら、悪い姿勢のまま腹筋運動をしても筋力がつかないだけでなく、ケガをしてしまう場合も多いからです。

そうなる原因は、悪い姿勢になると背筋は逆に緊張状態になるからです。

 ここでもう一度先ほどの全身の反り返り変形の模式図を見てみましょう。

反り返りによる身体への負担の違い
全身が反り返ると背筋は緊張状態になる

 今度は腹筋側ではなく背筋側に注目してください。からだが弓なりになる事で背筋側は腹筋と逆に上下に縮められた状態になる事がわかります。

 筋肉は伸ばされると弛緩しますが、縮められると逆に緊張状態になります。つまり悪い姿勢になると、腹筋は弱くなり、背筋は緊張状態になるのです。

 このような筋肉の収縮と弛緩のバランスが崩れた状態のまま腹筋を鍛えるようとすると、問題が生じます。

腹筋運動には背筋の弛緩が必須

 上の図は、腹筋運動における筋肉の収縮と弛緩の関係を示しています。図を見てわかる通り、腹筋の収縮にはその反対側にある背筋の弛緩が必要である事がわかります。

 悪い姿勢の方は背筋をうまく弛緩させる事ができません。その為、腹筋の収縮時に背筋は緊張状態のままで無理やり引き延ばされる状態になります。

実はこの「緊張した状態のまま無理に引き延ばさせる」事こそ、ぎっくり腰を含む主要な筋肉の損傷原因なのです。

 ぎっくり腰の多くのきっかけは「腰をかがめる動作」である事はよく知らています。これは、腰の筋肉が緊張した状態のままからだをかがめた事で無理に筋肉が引き延ばされた事が原因なのです。

 以上の事から、悪い姿勢のまま腹筋を鍛えるのは効率的でないばかりか危険であり、まずは姿勢を矯正して背中を柔らかくする必要のある事がわかると思います。

腹筋運動が危険である時の三つのサイン

 姿勢矯正における腹筋運動は、必要ではあるけれどもリスクも大きいという折り合いの悪い関係にある事がご理解いただけたと思います。

 特に以下のような事に心当たりのある方は、注意が必要です。

  • 前屈が苦手。
  • 腹筋運動をすると足が浮いてまい、足を固定しないと腹筋ができない。
  • 慢性的な腰痛がある。

 以上の三つは、背筋が強い緊張状態である事を示す典型的なサインです。これらに該当するならば、まずはあせらず背部の緊張を和らげてから腹筋を鍛えた方がよいでしょう。

 以下の記事で紹介している姿勢矯正エクササイズは効率的に背中の緊張を和らげる効果があります。又、補助的に前屈のストレッチを合わせて行うのもお勧めです。

 

まとめ

mike

以上、悪い姿勢のまま腹筋トレーニングをするのが効率的でない理由を解説しました。

tora

無理して腹筋を鍛えるとケガをするという事だね。

mike

私自身は、筋力をつけるのは矯正が終わった後からで十分だと考えています。 

tora

それだと遅くない?

mike

筋力アップを中心に姿勢矯正をしてしまうと「力で抑え込んだ姿勢」になりやすく、その結果、筋力が衰ると元の状態に戻ってしまう場合もよくあるからです。
そもそも正しい姿勢はリラックスした姿勢である必要があります。そうでないと長期間維持できないからです。

tora

つまりストレッチ中心に姿勢矯正をした後に筋トレするのが一番合理的なんだね。

mike

その通りですね。

 最後にポイントをまとめます。

  • 姿勢矯正において腹筋のトレーニングが効果的であるのは事実である。
  • しかし悪い姿勢のまま腹筋を鍛えるのは、非効率的であるだけでなくケガのリスクも高い。
  • まずは姿勢矯正をして背部を柔らかくした後に始めるのがお勧め。

 

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