姿勢矯正を補助する筋力アップトレーニング

姿勢矯正エクササイズ
tora

質問が届いてますよ。

mike

はいはい。

???

 猫背と運動不足の改善の為、一年ぐらい前からジムに通っています。おかげでからだは締まってきたのですが、なぜか姿勢は悪いままです。どのような筋トレをすれば猫背は改善されますか? 又、良いトレーニング方法があれば教えてください。

tora

姿勢矯正に適した筋力トレーニングの方法を教えてくださいとの事です。

mike

まず前提として、姿勢矯正を行う方法としては筋力トレーニングよりストレッチがおすすめです。

tora

じゃあ筋力トレーニングは必要ないの?

mike

そんな事はありません。筋力トレーニングは正しい姿勢を保持する為にとても重要です。たとえ矯正に成功しても筋力のない状態だと元の状態に戻りやすいのです。又、上手に行えば矯正期間を短縮する事も可能です。
そこでここでは矯正と姿勢保持に有効な筋力トレーニングについて解説しましよう。

筋力トレーニング
目 次

姿勢矯正はストレッチで行うのが良い。

 姿勢矯正をする方法は一つではなく複数あります。筋力トレーニングもその一つで、実は正しく行えば筋力トレーニングだけでも姿勢矯正をする事は十分可能です。

 しかし、私自身はストレッチで矯正する事をお勧めしています。なぜなら見た目だけでなく機能としてもすぐれているのが正しい姿勢だと私は考えているからです。

 どちらの方法でも正しく行えば、矯正後の見た目に違いはほとんどありません。しかし機能として見れば、そこには大きな違いがあります。下表はその違いを比較した図です。

筋力トレーニングによる矯正ストレッチによる矯正
姿勢維持悪い姿勢に戻りやすい安定している
動きやすさ緊張して硬いリラックスして柔らかい
疲れにくさすぐ疲れるあまり疲れない
矯正法による正しい姿勢の特性の違い

 表からもわかる通り、ストレッチによる矯正は機能として多くの点で優れています。このような事から筋力トレーニングではなくストレッチによる矯正がお勧めなのです。

 さらに詳しくは以下の記事を参照にしてください。

筋力トレーニングと姿勢

 姿勢矯正はストレッチで行うのがお勧めですが、だからと言って筋力トレーニングは必要ないのかというとそれも違います。なぜなら姿勢を支えているのは筋力だからです。

 姿勢と筋肉の関係はゴムで支えられた棒人形に例える事ができます。

ゴム人形

 上図のような棒人形からゴムを外せば、当然人形は倒れてしまうでしょう。同様にヒトにおいても筋力が足りなければ姿勢を安定して保持する事はできません。

 そして特に姿勢を支える重要な働きをしているのが腹筋です。

 しかし現代の生活スタイルで一番弱くなりやすいのも腹筋なのです。その生活スタイルとは、「長時間座りっぱなし」の生活です。なぜなら座っている時は体幹部の筋肉がほとんど働いていないからです。ですから座っている時間が長い方ほど腹筋は弱くなる傾向があります。

 では腹筋が弱まるとなぜ悪い姿勢になるのでしょうか。それは相対的に背筋の筋力が強まるからです。背筋の筋力が強まると、背中側からの「引き」が強まり、からだは反り返った状態になります。

上半身のバランスを安定させる為に猫背に
背中が反り返ると、自然に猫背になる仕組み

 上図は、全身の反り返りから猫背になる仕組みを図解したものです。全身が反り返ると、重心が背中側に移動して不安定になるだけでなく、目線が天井方向に向いてしまいます。その為、背中を丸めて猫背になってしまうのです。

 このように姿勢が変化すれば当然骨格の位置関係も変化して、それに合わせて筋力バランスも変化する事になります。そしてそれがさらに姿勢を悪化させるという悪循環に陥いる事になるのです。

 ですから腹筋のような悪い姿勢になる事で弱くなりやすい筋肉をトレーニングすれば、長期的に安定した姿勢を保持できるだけでなく、矯正を効率的に進める事も可能になります。

 以下に紹介するのは、悪い姿勢になると典型的に弱くなる筋肉です。

  • 腹筋
  • 腸腰筋(ちょうようきん)
  • 広背筋(こうはいきん)
  • 脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)

 それぞれトレーニング法と合わせて詳しく解説していきしょう。

腹筋

 前記したように、悪い姿勢なると一番弱くなりやすいのが腹筋です。

腹筋
腹筋

 そうなる原因は「全身の反り返り変形」である事はすでに解説しました。実はこの「全身の反り返り変形」は全ての悪い姿勢に共通の変形です。つまり言い換えれば悪い姿勢には必ず腹筋の弱化が伴うという事です。

 ですから姿勢矯正において腹筋周りの筋力強化はとても効果的です。そのトレーニング方法は以下のようになります。

腹筋エクササイズ手順
STEP
膝を立てて仰向けに寝る

 膝を立て仰向けに寝ます。必ずフローリングや畳などのある程度しっかりとした床で行ってください。布団やソファで行うとケガをしやすいです。

STEP
両手を伸ばし上体を持ち上げる

 次に両手を膝に向けて伸ばし、頭を持ち上げ肩甲骨が床から離れる程度まで上半身を起こします。この状態で腹筋の緊張を感じたら、その状態のまま30秒程度維持します。

腹筋のエクササイズ図解

 ステップ2の形で30秒程度維持します。これで一回おしまい。少し休んで2〜3回繰り返します。もし30秒行うのはきついようでしたら、無理せずに10秒程度に小分して行って下さい。

腸腰筋(ちょうようきん)

 続いて弱まりやすいのが腸腰筋です。

腸腰筋図解
腸腰筋

 上図は腸腰筋の位置を模式的に示したものです。図を見てわかるように、腸腰筋とは腰から骨盤を通り股関節に至る大きな筋肉で、股関節を動かすだけでなく体幹を安定させる重要な働きをしてます。

 腹筋と同様、悪い姿勢になると必ず弱くなる筋肉ですから、トレーニングする事で不安定になった体幹を安定させて姿勢を正す効果があります。

 腸腰筋を鍛えるには、スクワット運動・又は踏み台昇降などが効果的です。

広背筋(こうはいきん)

 背中が丸まり猫背になると、特に弱くなりやすいのが広背筋です。

広背筋
広背筋

 上図は広背筋を示した模式図です。広背筋は肩関節から背中全体を覆うように広がっている筋肉です。腹筋や腸腰筋に比べると優先度は低いのですが、背中の丸みが強く猫背であるならば、トレーニングメニューに加えるとよいでしよう。

 トレーニング方法は様々ですが、一般的によく知られる「腕立て伏せ」でも鍛える事はできます。

脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)の上部

 続いて弱まりやすい筋肉が背筋です。専門的には「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」と言います。

脊柱起立筋
脊柱起立筋

 上図は脊柱起立筋を模式的に示した図で、背骨の両脇を固めて姿勢を安定させる筋肉である事がわかります。うつぶせになり上体反らしをするトレーニングは一般的にもよく知らていますね。

 しかし姿勢矯正における脊柱起立筋トレーニングは通常と異なる点があります。それは起立筋全体ではなく、「胸から上」の起立筋に限定してトレーニングを行う必要のある点です。

 一般的には脊柱起立筋に上部・下部という概念はありません。しかし実際には脊柱の動きにより部位ごとに独立して機能しています。

 起立筋の上部のみのトレーニングに限定するのは、悪い姿勢になると腰部の起立筋は逆に緊張状態である場合がほとんどだからです。

 悪い姿勢の共通変形である「全身の反り返り変形」には、大抵の場合「反り腰」の変形もセットになっています。

反り腰
反り腰

 上図は「反り腰」変形を模式的に示したものです。「反り腰」になると腰付近の起立筋は上下に縮められ緊張状態になります。その一方上部の起立筋は背中が丸まる事で引き延ばされ、弱まった状態になっています。

 このような相反する状態の起立筋を全体としてトレーニングしてしまうと、緊張状態である腰部にケガをしてしまう場合が多いのです。

 そこで姿勢矯正においては、起立筋の上部のみをトレーニングする方が安全であり効果的なのです。その方法は簡単で、一一般的なトレーニングと同様にうつぶせになり上体反らしをする時に床からお腹が離れないようにして行うだけです。又、アゴを引いて目線が天井方向に向かないようにも注意してください。

まとめ

mike

以上、姿勢矯正に効果的な筋力トレーニングを紹介しました。

tora

結局、筋力トレーニングは補助的なものとして考えた方がいいのかな?

mike

悪い姿勢の程度が軽微であれば筋力トレーニングだけで矯正しても問題ないと思います。しかし明らかに悪い姿勢である場合は、やはりストレッチを中心に行う方が良いでしょう。
なぜなら悪い姿勢の程度に比例して骨格も硬化しているからです。それを筋力だけで矯正するのは、硬いバネを力で押さえ続けるようなものです。筋力が落ちれば、悪い姿勢に再び戻ってしまうでしょう。

tora

つまり適正な筋力で姿勢を保てるように、まずストレッチでからだを柔らかくしないといけないという事だね。

mike

ちなみに筋力トレーニングはアイソメトリックトレーニングで行うのがお勧めです。

tora

アイソメトリックトレーニングって何?

mike

筋力を発揮したまま静止した状態を維持するトレーニング法で、常に力を発揮し続ける種類の筋肉を鍛えるのに効果的な手法です。姿勢を支える筋肉はまさにそのような種類の筋肉ですから、普通に行うより効果的なのです。

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