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猫背だけじゃない? 悪い姿勢のかたち

 あなたの姿勢は正しい姿勢ですか? それとも悪い姿勢ですか? 悪い姿勢だとしたら、どのような悪い姿勢なのでしょうか。

 気になる方は、姿勢チェックテストを是非やってみましょう。数分で終わります。
 さて、テストをした方の中には、初めて聞く名前の結果が出た人も多いと思います。実の所、悪い姿勢は猫背だけではありません。猫背を含めて3種類あるのです。
  この章では、その3つの悪い姿勢のかたちと特徴を紹介していきましょう。

猫背である可能性は45%。悪い姿勢それぞれの比率

正しい姿勢と悪い姿勢三分類画像

 まずは、簡単にそれぞれの悪い姿勢を紹介します。
 上図をご覧下さい。一番左は正しい姿勢で、次の3つが悪い姿勢です。左から猫背姿勢・腰つき出し姿勢・胸つき出し姿勢、と言います。
 猫背姿勢はみなさんもよくご存知の背中の丸い姿勢です。腰つき出し姿勢はお腹の大きく出て見えるのが特徴の姿勢。胸つきだし姿勢は胸を張った姿勢が固まった姿勢です。私の治療室のデータからそれぞれの姿勢である確率をグラフ化してみました。

 

 グラフからわかるように、やはり猫背の人が一番多く全体の45%ほどになります。次に胸つき出し姿勢が30%、腰つき出し姿勢が24%と続いています。正しい姿勢の確率が1%しかないのは、姿勢の悪い人が集まる私の治療室の統計である事が原因で、実際はもう少し多いと思われます。

 このグラフから分かる大切な事は、姿勢の悪い人全てが猫背ではなく、猫背以外の悪い姿勢である可能性も50%以上ある、ということでしょう。ですから、自分の姿勢の種類を知らないまま矯正を行なう事はお勧め出来ません。考えてみれば当たり前ですが、悪い姿勢の種類によって、からだの変形している部位も異なるからです。例えば、猫背は背中の丸い姿勢ですが、胸つき出し姿勢はそうではありません。それなのに全ての方が背中を真っすぐに矯正しようとするのは合理的とは言えないでしょう。

 次に、それぞれの悪い姿勢を個別に紹介していきます。お急ぎの方は下の項目をクリックすると該当する姿勢にジャンプしますので、あなたのチェックテスト結果に合わせて読み進めてください。

背中の丸い猫背姿勢

猫背姿勢とくび猫背姿勢画像
 悪い姿勢と言えば、真っ先に思い浮かぶのが猫背姿勢ですね。細かく見ると猫背姿勢はさらに2つに分類されます。上の図を見て下さい。左の写真がそのままの「猫背姿勢」、右の写真が「くび猫背姿勢」です。見た目はあまり変わりませんが、よく見ると背中の丸みの頂点位置(一番丸まっている位置)が違うのがわかります。胸よりに頂点があるのが「猫背姿勢」、肩よりに頂点があるのが「くび猫背姿勢」です。

猫背姿勢の特徴と矯正の重点ポイント

 2つの猫背姿勢に共通の特徴を紹介しましょう。

  • 見た目が悪い。
  • 背中が丸く見える。
  • 頭と腹が前に突き出ている。
  • 肩こり・頭痛などの症状がある。

 猫背姿勢の一番の特徴は、なんといっても見た目の悪さです。人に姿勢が悪いと言われたら、猫背である可能性大です。又、健康との関連性も深くあり、さまざまな症状の原因にもなります。特に関係のある症状としては、首こり・肩こり・頭痛などです。他にも腰痛・胃腸虚弱・むくみ・冷え・手のしびれなどとも関係があります。

 矯正の重点ポイントとなるのは、当然、丸い背中です。正確には、くび猫背姿勢の方は首から肩にかけての丸み。背中全体の丸い典型的な猫背姿勢の方は胸から腰にかけての丸みとなります。

猫背姿勢とくび猫背姿勢との違い

 猫背姿勢とくび猫背姿勢の違いは見た目以外にも多くあります。
 まず、その比率に大きな違いがあります。みなさんがイメージする典型的な猫背姿勢の人はわずか2割で、8割はくび猫背姿勢に分類されます。つまり意外にも、典型的な猫背姿勢は珍しい姿勢なのです。この比率のかたよりの原因は、猫背になった原因の違いにあります。

 くび猫背姿勢になる主要な原因は、日常の生活習慣にあります。例えば肩を丸めて座る習慣などが原因です。しかし、典型的な猫背姿勢は、生活習慣だけの原因でなるものではありません。大抵は生まれつき背中の丸まりやすい性質を持っている事が原因に含まれています。つまり、先天的(遺伝的)な要素が少なからず関わっているのです。そしてこれが、典型的な猫背姿勢の方が少ない理由です。生活習慣に問題のある方は多数いらっしゃいますが、遺伝的な問題を生まれつき持っている人の数は限られているからです。

 そして、この違いは矯正の難易度の違いにもつながります。くび猫背姿勢は後天的につくられた姿勢ですから、基本的に骨や関節は正常な状態である為、矯正の難易度はさほど高くありません。しかし、典型的な猫背姿勢は骨や関節に先天的な変形のある為、それを矯正する為にはかなりの労力を必要とします。このように、似たような見た目の猫背姿勢でも、性質は大きく異なるのです。

ぽっこりおなかの腰つき出し姿勢

腰つき出し姿勢画像

 お腹がぽっこり出て見える姿勢、それが腰つき出し姿勢です。太って見えますが、体重が増加してそう見えているわけではありません。からだが反り返った事で、お腹が前に突き出てしまい、その結果、太って見えているのです。(悪い姿勢になると太って見える理由の詳しい解説はコチラ)

慢性的な腰痛と関係が深い姿勢

 腰つき出し姿勢の特徴は太って見えるお腹だけではありません。慢性的な腰痛に悩んでいる方の多い事も特徴です。その原因は、腰つき出し姿勢の特徴である"からだの反り返り"にあります。からだが反り返ると腰痛になる理由は大きく二つあります。その一つは、腰の筋肉が緊張してしまう事です。

腰の反りによる腰の筋肉緊張イラスト

腰が反ると、腰の筋肉が短くなり緊張する

 上図をご覧下さい。胴体を支える筋肉は、おなか側の腹筋とせなか側の背筋に大きく分ける事ができます。正常な姿勢だと、腹筋と背筋は同程度の力を発揮しています(図左参照)。しかしからだの反りが強くなると、腹筋の力は弱まり、その一方背筋の力は強まります(図右参照)。その為、背筋は疲労しやすくなり、その疲労は時間ともに蓄積して、ある時腰痛へと変化してしまうのです。

 からだが反り返ると腰痛になるもう一つの理由は、腰の背骨にストレスが集中する事にあります。下の図を見てみましょう。

腰が反ると腰の関節の負担増加イラスト

腰が反ると、腰の関節は締まった状態になる

 上図を見ると、左の正常な姿勢と比べて、右の反った姿勢では骨が締まった状態である事がわかります。もともと腰の背骨はストレスに強い構造をしていますが、後方の関節部分だけは弱い構造になっている為、背骨が反って締まると腰骨へのストレスが高まり、その結果、腰痛になってしまうのです。さらに腰痛と姿勢との詳しい関係は、こちらで解説しています。

 又、このからだの反りは、腰から下の下半身にも強いストレスをかけます。その為、下半身のしびれや冷えなどの症状を引き起こす場合もあります。通常、足にしびれが出るとヘルニアなどの神経痛を最初に疑いますが、実は単純に姿勢が悪くなった事が原因だった、という場合も多くあるのです。

腰つき出し姿勢の特徴と矯正の重点ポイント

 腰つき出し姿勢の特徴をまとめて見ていきましょう。

  • 長時間立っているのが苦手。
  • お腹が体重より太って見える。
  • 前屈が硬い。お尻と太ももがつねに硬く張っている。
  • 慢性的な腰痛、下半身のしびれ・冷えのある方が多い。

 腰つき出し姿勢は、からだの反り返りが一番強い姿勢です。ですから、矯正の重点ポイントは反り返りの原因である腰部分、そして首から肩になります。

悪い姿勢に見えない胸つき出し姿勢
胸つき出し姿勢イメージ

 最後は胸つき出し姿勢です。上の典型的な胸つき出し姿勢の図を見ると、この姿勢は本当に悪い姿勢なのか、と思う方もいるでしょう。確かに見た目には悪い姿勢に見えません。しかし、正しい姿勢の条件は"健康"である、と考えれば、胸つき出し姿勢は明確に悪い姿勢だと言えます。何故なら、からだにかかるストレスの一番強い悪い姿勢こそ、この胸つき出し姿勢だからです。

"胸を張る"事を続けていると胸つき出し姿勢になる。

 胸つき出し姿勢は、姿勢を正そうといつも意識している人に多い姿勢です。間違った姿勢矯正が原因でこの姿勢になってしまう方も多くいらっしゃいます。 何故、姿勢を正そうとして逆に悪い姿勢になってしまうのかと言うと、姿勢を正す事を「胸を張る事」だと考えてしまうからです。そしてここに、正しい姿勢に対する最大の誤解があります。"胸を張るとせすじは伸びる"という誤解です。実は、胸を張っても背筋は伸びません。これは実際に自分で胸を張って、冷静に動きを観察すればわかります。図で胸を張る動作を見てみましょう。

頭つき出し姿勢から胸をもちあげた状態

(左図)肩の丸まった姿勢 (右図)胸を張った姿勢 背中の角度に注目

 上図は、肩を丸めた状態から胸を張った動作を図解したものです。胸を張った姿勢(図右)を見ると、首は垂直に立った状態となる為、せすじは伸びたかのように見えます。しかし背中の丸まり具合を示す角度(図中の首と胸の直線の交わる角度)は左の肩を丸めた姿勢とほぼ同一です。つまり胸を張る動作とは、斜め上に胸を突き上げる動作で、そうする事で首の傾きを胸の傾きに入れ替え、背筋を伸びたかのように見せているのです。しかし、こういった事実を知らずに、胸を張った状態をつねに続けていると、背中は胸を張った形に固定してしまい、その結果、胸つき出し姿勢になってしまいます。

 胸つき出し姿勢は悪い姿勢の中で一番からだへのストレスの強い姿勢です。何故なら、からだを緊張させないと「胸を張る」形は維持できないからです。からだに蓄積した疲労は、頭痛・肩こりを中心としたさまざまな症状の原因になります。

 ここまで読んでもまだピンとこない方も多いと思います。詳しくは「胸を張る姿勢の問題点」で解説していますので、ここでは「胸を張り続けている事はからだには良くない」という事だけご理解いただければ十分です。

胸つき出し姿勢の特徴と矯正の重点ポイント

 胸つき出し姿勢の特徴を見ていきましょう。

  • 突き出た胸と、まっすぐな首(ストレートネック)。
  • 慢性的な肩こり・首の痛み。
  • 緊張しやすく、疲れやすい。
  • 呼吸が浅く、息苦しさを感じる。
  • 背中がつったように痛くなる事がある。

 胸つき出し姿勢は見た目に問題のない一方、体への負荷は強い姿勢で、多様な症状の原因になります。特に首から肩にかけてのコリの症状は強く、それ以外にも背部痛・腰痛、ひえ・むくみ、頭痛、息苦しさなどの症状が見られます。
 矯正の重点ポイントは、突き上がった胸と真っすぐな首(ストレートネック)です。具体的には首から肩、背中の中央・胸側の肋骨などになります。

胸つき出し姿勢は女性に多い

 胸つき出し姿勢は猫背よりは比率の少ない姿勢で、悪い姿勢全体で言えば30%ほどの比率です。しかし、男女別に見てみると興味深い事がわかります。以下の円グラフは男女別の悪い姿勢の比率です。

悪い姿勢の男女比

 上記グラフを見ると、姿勢の比率が男女で大きく異なる事がわかります。特に猫背と胸つき出し姿勢は差が大きく、胸つきだし姿勢の男性は7%ですが、女性では半数以上の54%にもなります。つまり女性に限ってみれば、胸つき出し姿勢は猫背以上に多い姿勢なのです。そうなる理由は、女性の方が姿勢の見た目をより気にしやすい傾向があるからだと思われます。日常から姿勢を気にしすぎて、胸をつねに張り続ける習慣が自然に身に付いてしまい、その結果、胸つき出し姿勢になってしまうのです。又、女性のハイヒールをはく習慣もこの姿勢になってしまう原因の一つになっています。

悪い姿勢に共通の"全身の反り返り"

 さて、ここまで3つの悪い姿勢を簡単に紹介してきました。
 これら3つの悪い姿勢にはそれぞれ特徴があり、矯正のポイントも異なります。しかしその一方、共通している部分も多くあります。何故なら、全ての悪い姿勢には共通の変形があるからです。下図を見てださい。

 上図の赤線はからだの中心を示した線です。さて、どこに共通点があるかわかりますか? 腰部分の色のついたところを注目してください。左の正しい姿勢ではからだの中央にしっかり線が通っています。しかし右3つの悪い姿勢では、線は中央ではなく、背中よりにずれている事がわかります。このずれは、からだ全体が反り返っている事を示しています。

 この"全身の反り返り"は全ての悪い姿勢の原型とも言うべき変形です。そう考えて改めて悪い姿勢を見ていくと、反り返った事で後ろに倒れそうになっているバランスを背中を丸める事で安定させている姿勢が猫背姿勢、腰を中心に反っている姿勢を腰つきだし姿勢、胸を中心に反っている姿勢を胸つき出し姿勢、というように言い換える事もできます。

 この、全ての悪い姿勢共通の変形は"全身の反り返り"だという事実は、姿勢矯正をしようと考えている方には是非覚えておいてもらった方が良いと思います。何故なら、全ての悪い姿勢共通の隠れた重要矯正ポイントだからです。

まとめ
  • 悪い姿勢だからといって、必ず猫背とは限らない
      猫背の人は全体の45%ほどです。ですから逆に言えば、半数以上の方は猫背以外の悪い姿勢です。悪い姿勢には猫背・胸つき出し姿勢・腰つき出し姿勢の3種類有ります。自分がどの悪い姿勢に該当するかを知れば、姿勢矯正を効率的に行なう事が出来るでしょう。
  • 見た目に一番悪いのは猫背姿勢
     猫背は見た目の悪さが一番目立つ姿勢です。背中の丸みの中心がどこにあるかで、通常の猫背姿勢と首猫背姿勢とに分ける事ができます。
  • ぽっこりおなかの腰つき出し姿勢
     腰つき出し姿勢はお腹がぽっこり出ている事の目立つ姿勢です。しかし太って見えるのは、体重が増加した事が原因ではなく、姿勢の変形によりそう見える事が原因です。強く腰に負担のかかる姿勢で、慢性的な腰痛の症状に悩まされている方が多くいらっしゃいます。
  • 女性に多く悪く見えない胸つき出し姿勢
     胸つき出し姿勢は一見して悪く見えない姿勢ですが、からだに強い負担がかかるという意味では悪い姿勢です。見た目に問題ない為に本人は姿勢の悪い事に気付いていない場合が多く、女性に特に多い姿勢です。
  • 悪い姿勢の共通点は"全身の反り返り"
     全ての悪い姿勢には共通の変形があります。"全身の反り返り"です。その為、どのような悪い姿勢でも、からだの反りを矯正する事は大事なポイントとなります。

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