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悪い姿勢になる原因

悪い姿勢になる主な原因は生活習慣にあり

 「何故、自分は悪い姿勢になったのか?」というのは、治療室でよく聞かれる質問の一つです。

 原因は親からの遺伝だ、と言われる方もいらっしゃいます。 子供の姿勢は親と似るケースが多いからです。しかし、私自身は遺伝によるケースはそれほど多くはないと考えています。 何故なら、ほとんどの方の姿勢は矯正する事が出来るからです。矯正できるという事は、基本的な骨格は正常だという事を示しています。仮に遺伝が原因であるならば、骨格そのものもが変形しているはずです。そうであれば、人の手だけでの矯正はまず不可能です。

 では、遺伝以外の原因は何でしょうか。 例えばケガをした時などは「ころんだ」などの明確な原因があります。 しかし、ケガと違って悪い姿勢は瞬時に変化するものではなく、少しずつ長期間かけて変化するものですから、事故のような特定の出来事が原因である事は少ないでしょう。

 そう考えると、毎日繰り返し行っている事、つまり日常の生活習慣に原因は潜んでいるのではないでしょうか。 そして、そのように考えれば、子供と親の姿勢の似る理由も説明がつきます。子は親の生活習慣を、見て、真似て、育ちます。 もし悪い姿勢になる習慣を親が持っていれば、子供もその習慣を真似るようになってもおかしくありません。

 では、具体的にどのような生活習慣が原因になるのでしょうか。この章では、その答えを考えていきます。

 悪い姿勢になった原因を知る事はとても重要です。何故なら、たとえ姿勢矯正がうまくいっても原因がそのままならば、いずれ元の悪い姿勢に戻ってしまうからです。 自分に当てはまる悪い生活習慣があれば、それを改善しなくてはいけません。

姿勢を崩す3つの代表的な生活習慣

生活習慣イメージ

 まずは、どんな生活習慣が姿勢を崩すのか、代表的な三つの習慣を紹介します。

スマホ・パソコンなどの画面を覗き込んで作業する。
 座って作業をしている時、パソコンなどの対象物に頭を近づけてしまう習慣です。同じような習慣に「浅くすわって背もたれに体をもたれる」「背中を丸める」も含まれます。まとめれば「だらしなく」座る習慣ですね。最近はスマートフォンの普及で、より多くの人に見られる習慣になってきました。気付く為のサインとしては、「椅子の背もたれから体がいつも離れている」「いつも椅子の下に足を入れている」などがあります。

必要以上にからだを反らしてしまう。
 立って作業などをしている時、必要以上にからだを反らしてしまう習慣です。気付く為のサインとして「台所で作業をしていると、お腹がつねにシンク(作業台)に密着している」「立っている時、いつもカカトに体重が乗っている(正常であれば足の裏全体に体重が乗る)」「長時間立っていると腰が必ず痛くなる、ふくらはぎがすぐ疲れる」 「体重より太ってみられやすい」などがあります。

いつも胸を張っている。
 いつも姿勢を気にしている人に多い習慣です。この習慣については"胸を張る姿勢の問題点"で詳しく解説していますので、ここでは簡単に留めます。 気付く為のサインとして「いかり肩である」「姿勢は良いのに首・肩はコリやすい」「ストレートネックだと言われた事がある」などがあります。


 生活習慣を改善するには、まずは自分の悪い習慣を知る必要があります。しかし、そういった悪い習慣は無意識に行っている事が多い為、意外に自分では気付けません。 ですから、上の3つの習慣に心当たりがあるかどうか、まずはチェックしてみましょう。

悪い姿勢の主な原因は座り方にあり

 悪い姿勢の原因となる3つの習慣を紹介しましたが、多くの方にとって特に問題なのは「スマホ・パソコンなどの画面を覗き込んで作業する」習慣です。 何故なら、大抵の人は日常的に座っている時間が一番長いからです。下の円グラフを見てください。

日常している姿勢グラフ

 グラフは、私の治療室で「日常的に一番長く過ごしている姿勢はなにか」をアンケートした結果です。グラフを見ると、8割の人が「座り姿勢」であると回答しています。 姿勢は、長い時間かけて変形するものですから、その原因も一番長く過ごしている習慣にあるはずです。 現代生活では仕事・勉強・食事・テレビを見る等、みんな座り姿勢です。このような事実からも、多くの方の悪い姿勢になる原因は座っている時の習慣に隠されている可能性が高いと言えます。

悪い座り方の代表は「頭つき出し姿勢」

 では、具体的にどのような座り方が姿勢を悪くするのでしょうか。まずは下の図を見てください。

頭つき出し姿勢イメージ

  左の図は正しい座り方、そして、右の図は姿勢を悪くする典型的な座り方です。この座り方を頭つき出し姿勢と言います。 左の正しい姿勢と比較すると、肩から背中を前に傾けて、アゴを突き出したような姿勢です。座りながら集中して作業をしていると、大抵の人はこれと同じような座り方になってしまいます。それは何故なのでしょうか。

 生物には、感覚器官を情報源に近づけようとする本能のようなものがあります。 犬が匂いをかごうと対象に鼻をすりよせているのはよく見ますね。そして、人間にとっての一番重要な感覚器官は「目」です。ですから、パソコンなどの目で行う作業をすると、無意識にそれに頭(目)を近づけて「頭つき出し姿勢」をとってしまうのです。

もし今、あなたの周りに事務作業をしている方が数名でもいるなら、多分その中に「頭つき出し姿勢」をしている人を見つける事が出来るでしょう。 というより、いまこのホームページを読んでいるあなたの姿勢が、まさにそうかもしれません。 それぐらい人間にとって普遍的な習慣になりやすい姿勢なのです。

悪い姿勢になる過程

 姿勢は全体が一度に変化するわけではなく、からだの一部分から始まり、それから全身へと広がっていきます。先の例で上げた「頭つきだし姿勢」は頭から肩だけの部分的な変化なので、ここから姿勢全体の変化へと進んでいくわけです。ここではその一例として、「くび猫背」になる典型的な流れを紹介します。

頭つき出し姿勢で直立

頭つき出し姿勢のまま、直立したと仮定した図

 もし、人間が立たないで座っているだけの生物であるなら、頭から肩にかけての部分的な変形だけで済むかもしれません。しかし、必ず人間は立ち姿勢にもなります。上図は、頭つき出し姿勢のまま立ち上がったらどうなるか、を示した図です。見るからにからだが不安定なのがお分かりいただけるでしょうか。 自分でやってみるとわかりますが、重心が前に傾いて、かなり不安定に感じるはずです。 座っている時は、下半身は椅子に固定されているので、頭を前に出しても安定していましたが、立つと下半身を支えるものはありませんので、重心が前にぶれてしまうのです。

 では、この不安定な状態を改善させる為にはどうしたら良いのでしょうか。その答えは下の図をみるとわかります。

頭つき出し姿勢から猫背姿勢へ変化

 上図の左は、突き出た頭に合わせてお腹も前に突き出した姿勢です。つまり、頭の移動に合わせてお腹(下半身)も前に動かす事で、全体のバランスを安定させたのです。注目して欲しいのは、頭とお腹が前に出た事で、背中が「くの字」状になり、背中の丸い猫背姿勢になってしまった事です(図右)。当然、頭の突き出る程度が強まれば、それを安定させる為にお腹も前に出る事になり、猫背の程度も強まる事になります。

 この例のように、からだの一部の変形を安定させる為に全身も変形するという過程は、悪い姿勢になる典型的なパターンです。変形の始まりの多くは肩・首ですが、時には腰や足首から始まる場合もあります。部分的な変形と全体の変形は、相互に関連しあって変形の度合い強めていくのです。

気付かずに少しづつ悪い姿勢になる

頭つき出し姿勢イメージ

対象物に頭を近づけて座る「頭つき出し姿勢」

 姿勢は少しづつ変化するものです。ですから上図のような座り方をしているといずれ悪い姿勢になるのは確かですが、数日、又は一週間程度ならば、せいぜい一日の終わりに「あれー、今日は肩こったなー」と感じるくらいで悪い姿勢になる事はないでしょう。問題になるのは、年単位で続けた時です。

 悪い姿勢になるまでは最低数年はかかります。それはまるで、スポーツ選手が日々トレーニングに励む事で筋骨隆々の体を形づくるのと同様です。悪い生活習慣が日々のトレーニングとなり姿勢を少しづつ変化させていきます。悪い姿勢を支える為の筋肉は発達し、逆に必要のない筋肉は衰えます。そして靭帯や腱などが悪い姿勢に最適化してしまうと、もう元の姿勢には戻れません。

 恐ろしいのは、変形している途中で本人が気付く事はまずない、という事です。 日々の習慣は大抵無意識に行っていますから、本人は悪い事をしているという意識がそもそもありません。 さらに、変化はとてもゆっくりですから、日常に完全にとけ込んでしまい、周りの人も本人も気付かないのです。 そして、完全に変形した後、自分自身を鏡で見たり、又は人に指摘されたりして、はたと姿勢の悪くなった事に気づく事になります。 このように、本人も気付かず「いつのまにか」なるのが悪い姿勢なのです。

 悪い姿勢の変化が始まる年齢は、座っている時間の多くなりはじめる年齢である小学生くらいからだと思われます。もしそうであれば14才ぐらいの思春期の頃にはかなり悪い姿勢になっているでしょう。 次に危ない時期が、20歳前後の社会人になりたての時期です。 これは仕事で長時間座り続ける事が多くなる事が原因です。その場合、30歳前後には完全に悪い姿勢になっています。

心理的な問題で悪い姿勢になる事も

 心理的な問題で悪い姿勢に
 ここまで解説したように、悪い姿勢になる主な原因は生活習慣である事は確かです。しかし、それ以外にも原因はいくつかあります。その中でも多いのが、心理的な問題によるものです。

  姿勢と心の間には深い関係がある事は昔から知られていました。その中でも特に知られているのが「ストレス姿勢」です。人は強い心理的ストレスに晒されると、そのストレスから自分を守ろうとします。その時、頭を縮めて肩を丸めたような姿勢、「ストレス姿勢」になるのです。そして、私の治療室に来られた方の、およそ1〜2割は、この心理的な問題が原因で悪い姿勢になった可能性が高いと私は考えています。これは、決して少ない割合ではありません。

 では、こういった方々は、心理的な問題を解決しないと姿勢矯正は出来ないのでしょうか。私自身は、問題なく出来ると考えています。「ストレス姿勢」は頭を縮めて肩を丸めた姿勢です。これは先に解説した「頭つき出し姿勢」とほぼ同じ形ですから、通常と同じ方法で矯正出来るはずです。そして実際に、私の治療室では問題なく矯正できています。

 もろちん、根本的に心理的な問題を解決しなければ、再び悪い姿勢に戻るかもしれません。しかし、心とからだのつながりは、にわとりとタマゴのような相互依存の関係で、からだが良くなると心の状態もよくなる事もあります。そういった意味で、姿勢矯正には心理的にも良い影響もあると、私は考えています。

まとめ

最後にまとめです。

  • 悪い姿勢になる原因は、多くの場合生活習慣に潜んでいる。
  • 現代の生活様式を考えると、座り姿勢の習慣が主要な原因である可能性が高い。
  • 座っている時に、頭を前に突き出して肩を丸める「頭つき出し姿勢」が悪い座り方の原型。
  • 部分的な姿勢の変形は、必ず全身の姿勢の変形となる。
  • 悪い姿勢は、長期間かけていつのまにかなっているものである。
  • 心理的な問題から悪い姿勢になる時もある。

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