サイトタイトル 姿勢インフォメーション
HOME > 姿勢を悪くする原因 > 胸を張る姿勢の問題点 > 胸を張っても背筋は伸びない

胸を張っても背筋は伸びない

 例えば、あなたが背中を丸めた悪い姿勢をしていたとします。すると、それをみた知人や親は「姿勢を正しなさい」と言うでしょう。合わせて「胸を張ってせすじを伸ばしなさい」とも言うかもしれません。
  しかし実際、いかなる人も「胸を張って背筋を伸ばす」ことは出来ないのです。
  どうしてでしょうか。それは、「胸を張る動作は、背筋を伸ばす動作ではない」から、です。
 まず、胸を張った姿勢を詳しくみてみましょう。

胸を張る姿勢。左は実際の写真 右は模式図

  

 上図の右は、実際の胸を張っている人の写真、左はそれを模式的に表したものです。
 この図をみて、胸を張った姿勢のせすじは、どんなラインを描いているかわかりますか? 
 さらに形がわかりやすくなるよう、図に線を引いてみます。

 上図で明らかになるのが、胸を張った姿勢のせすじは、まっすぐではないという事実です。
  実際に真っすぐなのは、首のラインだけで※1、肩から胸にかけては、大きく内側に傾いています。
 次に、胸を張った姿勢と、せすじの伸びた本当の姿勢とを比較してみましょう。

左)胸を張った姿勢 右)せすじの伸びた姿勢

 上図のように、せすじの伸びた姿勢と胸を張った姿勢を比較すると、胸を張った姿勢はかなりでこぼこしたせすじである事がわかります。
 以上のように、胸を張った姿勢を客観的に見れば、「胸を張るとは、せすじを伸ばす事ではない」という事に気付くと思います。
 
 では実際、胸を張るとは、どういった動作の事なのでしょうか?
 それは、自分で実際に胸を張ってみればわかります。胸を張ると、まず、背中中央に強い力がかかるのがわかると思います。背筋が緊張する事で、背中は前に突き出て、斜め上に胸が持ち上がるのがわかります。つまり、胸を張る動作というのは、「胸を前に突き出す」動作なのです。

胸を張る動作とは、胸を突き出す動作

 

 ではなぜ私達は、胸を張る動作を「背筋を伸ばす動作」だと思い込んでいるのでしょうか? 
 例えば、以下のような仮説が考えられます。

1. ある時「胸を張る=正しい姿勢」という認識が一般に広がった。
2. それとは別に「正しい姿勢とは、背筋の伸びた姿勢だ」という認識も一般にあった。
3. 1.2を合わせて「正しい姿勢とは、胸を張り背筋の伸びた姿勢」という認識が生まれ、その結果「胸を張る = 背筋を伸ばす」という認識が広まった。

 又、胸を張ると、背中が真っすぐになったような感覚が実際ある事も、その理由かもしれません※2

 さて、まずここまでで、胸を張る姿勢とは「背筋を伸ばした姿勢」ではなく、実際は「胸を前に突き出した姿勢」である事がわかりました。そして、この事実から、胸を張った姿勢の重大な問題点が明らかになります。それは次章で解説しまましょう。



補足メモ

※1  この首が真っすぐな状態をストレートネックといいます。ストレートネックは、様々な健康問題と関わりがありますが、それは別章で解説します。
※2 知覚した通りに体が動いているとは限らないのです。
menu_upper
書籍画像
角川SSC新書 定価798円
amazonで買う
実践的な姿勢矯正エクササイズや、自己の姿勢の簡単な分析法を、詳細な図解入りで解説
詳しい書籍紹介




menu_lowwer
カイロバーナ