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"胸を張る"と隠れ猫背になる

 解説しました通り、このHPにおける正しい姿勢とは、体に良い正しい姿勢です。

 しかし、多くの方、特に女性の方が一番なりたい姿勢は、見た目が良い正しい姿勢だと思います。一般的な見た目が良い姿勢とは、"胸をはった姿勢"だと思います。このホームページでは胸つき出し姿勢と呼んでいます。

 胸つき出し姿勢は、ファッション雑誌のモデルさんなどが多用している姿勢です。下図で、胸つき出し姿勢と"体に良い" 正しい姿勢を見比べてみましょう。

正しい姿勢の比較

  左図が、見た目が良い正しい姿勢である胸つき出し姿勢、右図が、体に良い正しい姿勢です。確かに、胸つき出し姿勢の方が、体にメリハリがあり格好よく見えますね。

 でも"体に良い" という観点から見ると、この胸つき出し姿勢は、猫背姿勢と同様、いやむしろさらに体に悪い姿勢と言えるのです。その理由を理解する為に、胸つき出し姿勢になる典型的過程を見ていきましょう。

頭つき出し姿勢

胸つき出し姿勢の原型姿勢 頭つき出し姿勢

 上の図は、胸つき出し姿勢に変化する前の姿勢、つまり原形の姿勢です。このホームページを頭から読んでいられる方は、何度もごらんなっているでしょう。そうです。事務仕事などでついしてしまう姿勢、頭つき出し姿勢です。実は、胸つき出し姿勢は、頭つき出し姿勢からの変化バータンの一つなのです。

 頭つき出し姿勢の見た目は、肩が丸まっただらしない姿勢です。ですから、この姿勢になった人は、見た目を気にする人程、やってしまうのです。"胸をはる"という動作を。

 ここに、正しい姿勢に対する最大の誤解があります。"胸をはる"という動作は"背中をまっすぐにする動作"であるという誤解です。実は、"胸をはる"という動作は、背筋を伸ばす動作ではありません。"斜め上に胸を突き上げる動作"なのです。これは実際に自分で胸を張って、冷静に動作を確認してみればわかります。

頭つき出し姿勢から胸をもちあげた状態

(左図)頭つき出し姿勢 (右図)頭つき出し姿勢から胸を斜め上に突き上げると(胸を張る)と・・

 上の図は、頭つき出し姿勢から胸が斜め上に突き上がると、見た目どのように変化するか示したものです。頭は垂直の状態になりますから、頭つき出し姿勢は改善されたかのように見えています。

 しかし、これは背筋が伸びたからではありません。頭の傾斜がそのまま胸の傾斜に転化されたからです。これは、図のように首と背中のラインが交わる角度をみるとよくわかります。首の傾きは垂直になったかわりに、大きく胸が傾いて、角度そのものは変化していないのがわかります。

 つまり胸を張っても、背中の実質的な形は、頭つき出し姿勢からなにも変化していないのです。 いわば、胸つき出し姿勢は隠れ猫背という言い方ができます。しかしその一方、見た目は劇的に変化してみえます。これは以下の二つの効果によると思います。

  • 頭が垂直になった
  • 胸が強調され体全体にメリハリがついた

 見た目が良い正しい姿勢としては、"胸をはる"のは間違っていません。しかしその一方、"体に良い"という条件から考えれば、猫背姿勢より変形が複雑で、悪い姿勢の中で一番体への負担が強い姿勢と言えます。

 日本の新幹線をデザインした三木忠直氏の言葉で、"美しいものは機能的である"という格言があります。私が姿勢矯正にこだわるのは、正しい姿勢に機能美を感じるからという理由もあります。しかし胸つき出し姿勢は、美しいかもしれませんが、体にとって機能的とはいえません。この理由を私はこう考えます。胸つき出し姿勢は、人間の美意識によって誇張(デフォルメ)した姿勢であると。誇張したものは美しくはありますが、自然なものではありません。自然でないという事は、なんらかの無理があるという事なのです。

 胸つき出し姿勢には、"体に良い"という条件から見ると沢山の問題があります。次にその問題点をみていきましょう。


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