HOME > 姿勢Q&A> 運動不足と姿勢

Q32:運動不足は悪い姿勢になる原因?

 姿勢の悪い事に悩んでいます。子どもの頃から体を動かす事が好きではなく、今も体力はあまりありません。やはり悪い姿勢になったのはこのような運動不足が原因なのでしょうか。もしそうだとすれば、どのような運動をすれば姿勢は良くなりますか?

-お答え-

 確かに運動不足と悪い姿勢の間には深い関係性があります。その関係性には二つのパターンがあり、運動不足だった時期によって大体どちらかが決まります。それぞれ簡単に解説しましょう。

 一つ目は、からだが成人へと発達する時期、幼児期から思春期にかけての運動不足が関係するパターンです。この時期における運動はからだの発達を促すだでなく、直立姿勢を保つ筋力の発達にも重要な役割をしています。その為この時期に運動不足だと姿勢を支える筋肉の発達が弱まり悪い姿勢になりやすくなります。

運動不足による悪い姿勢

 上図は、からだの発達時期に運動不足が続くとなりやすい姿勢の形を図解したものです。 図を見ると、肩を丸めて頭を前に突き出している典型的なくび猫背姿勢に見えますが、下半身に注目すると、みぞおちがへこんでいて下腹だけぽっこり出ている事がわかります。これは、体幹の筋肉の発達が弱い為に胴体をまっすぐに支える事ができず、このような形になっているのです。

 この姿勢になっている方の多くは立っている事が苦手で疲れやすく、すぐ座ろうとする傾向があります。悪い姿勢の子どもは近年増加傾向ですが、この運動不足による悪い姿勢も増えてきているように思えます。

 もう一つは、成人して社会人になってからの運動不足が関係するパターンです。からだの発達はすでに完了している年齢ですから、言葉通りの運動不足ではなく、長時間座ったままの生活による下半身の運動不足が関係してます。

 長時間座ったままの生活とは、言い換えれば下半身の筋肉をほぼ使わない生活です。当然、直立姿勢を保つ為の筋力は少しずつ弱まり、いずれ姿勢は崩れてしまいます。

腰つき出し姿勢模式図

 上図は、長時間座ったままの生活をしているとなりやすい姿勢の模式図です。下半身を筋力で支えられない為に腰を反らして骨格で支えようとした結果、図のような大きくお腹を突き出した姿勢になります。このような姿勢を「腰つき出し姿勢」とここでは呼んでいます。

 社会人になってから急に姿勢が悪くなったという方の半分くらいはこのパターンによるものです。中には何十年も座りっぱなしの生活が続いた為に、下半身だけアンパランスにやせ細った体型に変形してしまう方もいます。そうなると完全な矯正をするのは難しくなります。

 以上、運動不足による姿勢悪化の典型的な二つのパターンを紹介しました。このような運動不足による悪い姿勢を矯正するには、からだを柔らかくする(こちらで紹介している姿勢矯正エクササイズを行うのがお勧めです)だけでなく、弱まった筋力を強めるトレーニングも合わせて行う必要があります。必要となる筋力トレーニングを以下に紹介しましょう。

腹筋と背筋のトレーニング
 運動不足になると真っ先に弱まるのが体幹の筋力です。体幹全体の筋力を鍛えるのが一番良いですが、とりあえず腹筋と背筋を中心に鍛えれば問題ありません。鍛え方は一般的に知られている方法でかまいませんが、より効率的に鍛えたいならば、アイソメトリック法(筋力を発揮した状態のまま体勢を維持して鍛えるトレーニング法。主にリハビリの分野でよく行われる)で行うとより効果的です。腹筋に関してはこちらで詳しく紹介しています。

腸腰筋(ちょうようきん)トレーニング
 長時間座りっぱなしの生活をしていると典型的に弱まるのが腸腰筋です。腸腰筋とは腰から股関節にかけてからだの前後を結んでいる筋肉で、主に股関節を曲げる役割をしていますが、体幹の安定にも重要な働きをしています。座っている姿勢では股関節を支える必要がない為、特に弱まりやすい傾向があります。

 腸腰筋を鍛えるには股関節を上に曲げる運動をします。よく知られているのは踏み台昇降です。又、歩幅を大きくしたウォーキングをするのも効果的です。


 以上、運動不足による悪い姿勢に効果のある筋力トレーニングを二つ紹介しました。このように特定の筋力を鍛えるのではなく、軽い全身運動を一定時間行うのもお勧めです。大人であるならば、散歩や水泳(水中ウオーキングで良い)などを30分程度週2〜3回程度行うのが良いでしょう。 子どもの場合は目的をもって運動をするのは困難ですから、何かスポーツをしたり外遊びの習慣を身につけさせるのがよいでしょう。



書籍画像
角川SSC新書 定価798円
amazonで買う
実践的な姿勢矯正エクササイズや、自己の姿勢の簡単な分析法を、詳細な図解入りで解説
詳しい書籍紹介




カイロバーナ