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Q21:姿勢の男女差について

 私には中学生の息子と娘がいます。息子の姿勢は猫背で、いつも注意しているのですが一向に改善しません。一方娘はだらしのない姿勢をしている時もあるのですが、 息子ほど姿勢は悪くありません。周りの同級生を見ても悪い姿勢は男の子に多いように思えます。実際、男の子の方が悪い姿勢になりやすいのでしょうか。

-お答え-

 まず結論として、悪い姿勢のなりやすさに男女差はないと私は考えています。しかし、姿勢に男女差がないわけではありません。下のグラフをご覧下さい。

悪い姿勢の男女比グラフ

 上のグラフは「どの種類の悪い姿勢になりやすいか」を男女別に示した円グラフ(※管理人の治療室による統計データ)です。一般に悪い姿勢というと猫背しかないように思われていますが、実際は大きく分けて「猫背」「胸つき出し姿勢」「腰つき出し姿勢」の三種類があります。それぞれの姿勢についての詳細はこちらを参照して下さい。ここでは男女差に注目してグラフを見てみましょう。

 グラフを見ると、男女に大きな差のある事がわかります。具体的には、男性は「猫背」の比率が大きく(59%)、女性は「胸つき出し姿勢」の比率の大きい(54%)事がわかります。つまり、「なりやすい姿勢の種類」に男女差があるのです。

胸つき出し姿勢と猫背姿勢

  上図は、胸つき出し姿勢と猫背姿勢の模式図です。左が女性のなりやすい胸つき出し姿勢、右が男性のなりやすい猫背姿勢。猫背はおなじみだと思いますが、胸つき出し姿勢については知らない方も多いと思います。詳しくはコチラで解説していますが、とりあえずここでは「胸を張ったまま固まった姿勢」だと考えてください。

 何故、女性は胸つき出し姿勢になりやすいのでしょうか。理由の一つは、自分の「見た目」を普段から意識している方が多いからだと思います。つまり、見た目を意識し過ぎて「胸を張る」ことを無意識に習慣化させてしまう女性が多いのです。一方男性は、自分の見た目を過剰に意識している方は少ないですから、そのまま素直に猫背になってしまう場合が多いのでしょう。

 次に両者の「見た目」を比べてみましょう。図を見ると、猫背は明らかに悪く見えますが、胸つき出し姿勢はあまり悪く見えないかもしれません。実はこれが、男性に姿勢の悪い人が多く思える理由です。女性に多い胸つき出し姿勢は、その存在が目立たない為、男性に多い猫背ばかりが目立ってしまい、結果として、男性に悪い姿勢が多いように錯覚してしまうのです。 

 では、胸つき出し姿勢であるならば、その本人も気付かないくらい目立たないのですから、特に姿勢を気にする必要はないのでしょうか。もちろん、そんな事はありません。それどころか、むしろ姿勢の問題としては猫背より重大なのです。そう言える理由は大きく2つあります。

 一つ目の理由は、胸つき出し姿勢になると、からだに大きな負担がかかる事です。ここで胸つき出し姿勢の背中の形を少し詳しくみてみましょう。

胸を張った姿勢の背中の形はL字に似ている

胸を張った姿勢の背中は"L"の形に近い

 上図は胸つき出し姿勢の形を模式的に示したものです。図中の赤線は背中の形をおおまかに示していて、アルファベットの「L」字に近い形である事がわかります。

猫背の背中のかたち

 次に猫背と比較して見ましょう。上は猫背の模式図です。図を見ると、猫背の背中の形はひらがなの「く」の字である事がわかります。「L」と「く」ではまったく異なった形だと思えるかもしません。しかし、Lを少し前に回転させて見るとどうでしょうか。

胸を張った姿勢を前に回転させると背中の形はひらがなのくの字に

 上図は、胸つき出し姿勢を少し前に回転させた図です。 回転させた左側を見ると、「L」が「く」の形に変化している事がわかります。そして、ここでふたたび猫背と比較してみましょう。
猫背と胸を張った姿勢の背中は両者共にひらがのくの字の形

左)胸を張った姿勢 右)猫背姿勢

 上図左側が傾けた胸つき出し姿勢の図、右側が猫背です。両者を比較すると、ほぼ同じ背中の形である事がわかると思います。この事から、少なくとも猫背と同程度のからだの負担が胸つき出し姿勢にもかかる事がわかります。これに加えて胸つき出し姿勢には背中の緊張度が強いという問題もあり、猫背以上に多様な症状に悩まされやすい姿勢になっているのです。典型的な症状としては、肩こり・腰痛・頭痛などがあり、それ以外にも疲れやすさや息苦しさなどもよく見られる症状です。

 もう一つの問題は、胸つき出し姿勢である事に本人が気付かないという点です。例えば猫背であれば、大抵本人にその自覚がある為、姿勢による症状が出ても、その原因に気付く事ができます。しかし、胸つき出し姿勢は、本人にその自覚がない為に、原因がわからないまま症状に悩み続けている場合が多いのです。実際、そのような方が私の治療室に来られると、自分の症状の原因が姿勢である事を初めて知って、驚かれる事がよくあります。


 以上、悪い姿勢の男女差について解説しました。まとめると以下のようになります。

  • 悪い姿勢のなりやすさには男女差はないが、なりやすい姿勢の種類に男女差がある。
  • 男性は猫背になりやすく、女性は胸つき出し姿勢になりやすい。
  • 姿勢としての問題は胸つき出し姿勢の方が重大。健康上のストレスが大きいだけでなく、本人にその自覚がない為。

 もし、お子さんやご家族の中に、原因不明の慢性的な肩こりや腰痛などに悩まされていて、しかも女性であるならば、胸つき出し姿勢かどうか一度チェックされてみると良いかもしれません。見分けるポイントは、「お腹が前に突き出ている」「鳩胸である」「首がまっすぐ(ストレートネック)でいかり肩」「呼吸が浅い」などがありますから、思いあたる点の多い方は、一度専門家に見てもらうと良いでしょう。


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