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ストレートネックと姿勢との関係

ストレートネックと正しい姿勢

左)ストレートネックの姿勢 右)正しい姿勢

 最近、治療室に来られた方から「お医者さんに首の痛みの原因は真っすぐな首だと言われた。」という話をよく聞くようになりました。このような真っすぐな首の状態を「ストレートネック」といいます(上図左参照)。ストレートネックは肩こり・頭痛など様々な症状と関係していると考えられています。

ストレートネックと肩こりの関係グラフ

 上図はストレートネックと肩こりの関係を示したグラフです (※私の治療室における統計データ。無作為に抽出した300人の姿勢写真から分析)。縦軸は、肩こりの人の割合。横軸はストレートネックの程度を示していて、グラフの右にいくほど首がまっすぐである事を示しています。

 グラフを見てみると、左端では半数程度だった肩こりの割合が、首がまっすぐになるにつれ増加して、最終的には9割ほどの人が肩こりを訴えるようになる事がわかります。このように、少なくとも肩・首の症状とストレートネックが関係しているのは間違いないでしょう。しかし今現在、ストーレートネックはまだ未解明な部分も多く、その実態はよくわかっていません。

 このような不明確な状況で、ストレートネックの主要な原因の一つとして私が考えているのが「悪い姿勢」です。何故なら、日々治療室でその症例をみているからです。ですから、これから解説するのは「悪い姿勢によるストレートネック」に限った話しです。そう言うと、ずいぶん限定された話だと思われるかもしりませんが、慢性的な症状と関係しているのは、ほとんど悪い姿勢によるストレートネックだと私自身は考えています。ストレートネックで悩んでいる方には、何らかの改善の糸口が解説の中にあると思いますから、是非、読み進めてみて下さい。

間違った姿勢の意識がストレートネックの原因

 姿勢という側面から考えると、ストレートネックになってしまう一番原因は「間違った姿勢の意識」にあると思います。

 私たちは子供の頃から、何かしら姿勢について注意を受けて育ってきています。みなさんも一度は「せすじを伸ばしなさい」「背中を丸てはいけない」などと言われた事があるでしょう。当然そのように育てば、少なからず普段から姿勢を意識するようになります。もちろんそれは良い事なのですが、その意識そのものが間違っていた場合は逆効果になってしまいます。

 そのような間違った姿勢の意識の代表が、「胸を張る」という意識です。今これをお読みのみなさんも、姿勢を正す事は胸を張る事だと考えている方が大多数だと思います。確かに、胸を張るとせすじが伸びたように見えるのは事実ですが、それはあくまで「見た目」だけなのです。この事を理解する為に、まずは下図をご覧下さい。

胸を張るとストーレトーネックになる

 上図は、肩の丸まった人が胸を張ると背中の形がどう変化するかを示した図です。左図を見ると、頭が前に傾いていて典型的な(首)猫背である事がわかります。図中の交わる直線の角度に注目してください。この角度は背中の丸まりの程度を示しています。

 このように背中を丸めていれば、当然、周りの人からは姿勢を注意される事でしょう。そして多くの場合、図右のように胸を張る姿勢になるわけです。胸を張った姿勢は確かにせすじが伸びたように見えるかもしれません。しかし、図中の背中の丸みを示す角度に注目すると、左図の猫背と比べてほとんど同じである事がわかります。この事こそ、胸を張ってもせすじは伸びない証拠です。何故なら、もしせすじが伸びたのならば、背中の丸みを示す角度は当然小さくなるはずだからです。

 では、背中の形は変わらないのに、せすじの伸びた姿勢に見えるのはどうしてなのでしょうか。実は、胸を張る動作とは胸を上に突き上げる動作です。胸が突き上がると、頭の傾きが胸の傾きに変換されます。すると、一見せすじが伸びたように見えるのです。 (※胸を張る姿勢についての詳しい解説はこちらで行っています。)

 そして、この事がストレートネックになる原因でもあります。頭の傾きが完全に胸の傾きに吸収される為、首は直立状態になってしまうからです。つまり胸を張ると、見た目に良くなるかわりに、ストレートネックにもなってしまうのです。これと同様に「頭を前に出さないようにしよう」「肩が丸まらないようにしよう」などの意識でも同じ変化が起こります。

 この胸を張ったまま固まってストレートネックになった姿勢を「胸つき出し姿勢」と私は呼んでいます。「胸つき出し姿勢」について詳しくはこちらをご覧下さい。

ストレートネックに関係する様々な症状

肩こり

 悪い姿勢によりストレートネックになると、ほとんどの場合何らかの症状に悩まされるようになります。そうなる原因は大きく2つあります。具体的な症状と合わせて紹介しましょう。

首の筋肉が過剰に緊張してしまう
 首を直立させる為には、首を強く緊張される必要があります。実際に、胸を張って首を直立させてみましょう。背中から首にかけてが強く緊張しているのが実感できるはずです。

 強い緊張により疲労が蓄積されると、首から肩にかけてのコリに悩まされるようになります。これは最初にグラフで示したように明らかです。それ以外にも、頭痛や耳鳴り、息苦しさ(背中の緊張によって肋骨で囲まれた空間が固まってしまう)、などもよく見られます。

首のわん曲が消失してしまう
 正常な首には凸状のわん曲があります。しかし、ストレートネックになると首のわん曲は消失してしまいます。ひどい場合はわん曲が逆転して凹状になってしまう場合もあります。

 首のわん曲の消失がどのような影響を及ぼすかは医学的にまだよく解明されていません。しかし、真っすぐな棒より曲がった棒の方が外力に対して柔軟なように、物理法則からもからだに負担なのは明らかだと思います。

ストレートネックを改善する方法

エクササイズ

 次は、このやっかいなストレートネックを改善するにはどうしたらよいか考えてみましょう。

正しい姿勢を学ぶ
 改善の為にするべき事の一つ目は、正しい姿勢の意識(姿勢の正し方)を学ぶ事です。先にも解説した通り、多くの場合ストレートネックになる原因は、胸を張るなどの間違った姿勢の意識にあります。ですから、どのようにからだを動かせば正しい姿勢になるのかを改めて学ぶ必要があります。

 正しい姿勢の意識を身につけるには、専門家の指導を受けるのが一番ですが、こちらの記事を参考に後述するエクササイズをする事でもある程度身につける事ができるでしょう。

過剰に姿勢を意識しすぎない
 2つ目は、姿勢を過剰に意識しないようにする事です。ストレートネック最大の問題は首の緊張です。たとえ正しい意識でも、四六時中意識していると首の緊張は緩和されず、ストレートネックも改善しません。姿勢を意識するのは姿勢を悪くしやすいタイミングだけ、例えば長時間座っている時などに限定しましょう。又、完璧な見た目にこだわらずに力を抜く事をつねに意識して下さい。これだけでも日々の習慣にできれば、いずれ意識しなくても姿勢をコントロールできるようになります。

 実際、私の治療室でも、姿勢を無理に意識しないよう指導しただけで症状が改善してしまう方も多くいらっしゃるのです。

ストレートネックを矯正する
 そして、最終的な段階は、ストレートネックそのものを矯正する事です。その為に、こちらで紹介しているエクササイズにチャレンジしてみるのが良いと思います。

 紹介しているエクササイズは、頭を真っすぐに立てる動作練習ののようにも見えますから、ストレートネックの方には効果がないように思われるかもしれません。しかし、このエクササイズは正しい姿勢の意識を学ぶ要素も含まれたものですから、たとえストレートネック方でも、手順通り最初から練習した方がよい効果が得られるでしょう。

まとめ

 最後にまとめです。

  • 間違った姿勢の意識が、ストレートネックになる主な原因。
  • ストレートネックになると、首の筋肉が過剰に緊張して、首のわん曲が消失する。
  • ストレートネックによる主な症状は、肩・首のこり、頭痛、息苦しさなど。
  • ストレートネックを改善するには、正しい姿勢の意識を学ぶ事、過剰に姿勢を意識しない事、そして最終的には矯正を行うのが良い。
  • こちらで紹介しているエクササイズを行うと効果的。