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姿勢矯正の3つの方法 

姿勢矯正の実例

管理人治療室における姿勢矯正例

 上の写真は、私の治療室における姿勢矯正の実例です。写真のからもわかるように、大抵の悪い姿勢は矯正する事が可能です。 しかし、具体的な姿勢矯正の方法は、世間ではあまり知られていません。

 矯正にはどのような手法があるのでしょうか?
 そして、あなたの姿勢に適している手法はどれでしょうか?
 又、矯正とは具体的に何をして、どのくらいの期間がかかるものなのでしょうか?
 矯正の難度に年齢は関係するのでしょうか?

 このような、姿勢矯正についてみなさんが思うさまざまな疑問に、この章ではわかりやすく解説を加えていきます。

姿勢矯正の方法は3種類

 まずは、姿勢矯正の方法についてです。インターネットなどで調べると、姿勢矯正にはたくさんの方法のある事がわかります。しかしそれらを分類すれば、だいたい以下の3つになります。

  • 装具を使用する方法
  • 治療による方法
  • エクササイズによる方法

 それぞれの方法を個別に解説していきましょう。

1.装具を使用する方法
矯正具  
  一つ目は、装具をからだに身につける方法です。装具には多用な種類がありますが、丸まった背中を真っすぐに固定するコルセットなどのように、からだを正しい姿勢の形に固定する目的のものが一般的です。からだに身につけるだけで労力を必要としない手軽さがその特徴です。

 しかしその一方、困った問題もあります。形だけでなく"動き"まで固定してしまう事が多いという問題です。実際にあったケースでは、幼少期に猫背矯正コルセットを数年装着したままにした事で、極端に背中が動かなくなってしまった方がいました。ですから、装具を使って矯正する場合、日常的に装着したままにするのは避けたほうがよいでしょう。

2.治療による方法
姿勢矯正治療
 二つ目は、治療による方法です。多くの場合、固くなったからだを柔らかくする事で矯正を行います。 日本国内では、カイロプラクティックや整体を基礎とした手法が多いようです。自分で動かす事の出来ない体の深部を柔らかくする事に優れた方法ですから、適正な治療を受けさえすれば初期の矯正効果は一番高いでしょう。 しかし現状、治療法に統一されたものがない為、施術者により効果にばらつきのある事には注意が必要です。

3.エクササイズによる方法
エクササイズ
 エクササイズによる矯正は一番人気のある方法です。ストレッチなどをして硬いからだを柔らかくする事で矯正を行ないます。自身で行なう為に手間はかかりますが、からだ一つで出来ますので装具や治療に比べコストのかからないのが特徴です。メリットの多い方法ですが、やはりいくつか問題もあります。一つは、エクササイズの種類があまりにも多数ある事です。その中から自身に効果のある方法を選ぶのは、なかなか困難な事です。

 さらに見落とされやすい問題として、正確に行なう事の難しさがあります。 もちろん、簡単なストレッチなどは別ですが、通常行わないような動作を含むエクササイズを、本などを見ただけで正確に行なうのは、本を読んでスポーツを覚えるのと同様、実はかなり難しいのです。間違った動作に気付かず、長期間行なった末に矯正を諦めてしまうケースもよく見られますので、つねに正確に出来ているか、注意しながら行なう事が重要です。


 以上、姿勢矯正の3つの方法を解説しました。姿勢矯正の分野はまだまだ未発達と言えます。今後、どんどん研究が進んで新しい矯正方法が生まれてくると思いますが、現状は上記の3つの方法のどれかを選択する事になるでしょう。

矯正の二つの要素。からだと意識

 姿勢矯正の方法は、装具・治療・エクササイズの3種類です。では、これらの中で一番効果的な方法はどれでしょうか?

 その答えを知る為には、姿勢矯正を「からだ」と「意識」の二つの要素に分けて考える必要があります。これら2つ要素をそれぞれ理解すれば、どの方法が優れているか、答えは自ずと導き出されるでしょう。

からだの要素
体の矯正イラスト
 まずは、からだの要素についてです。悪い姿勢になるとからだは変形します。変形した状態が長く続くと、その形に合わせて体は徐々に硬くなります。一度硬くなってしまったら、再びからだを柔らかくしないと姿勢を正す事は出来ません。この、硬くなったからだを柔らかくする事を、姿勢矯正における"からだの要素"と言います。

 多くの方のイメージする姿勢矯正とは、まさにこのからだの要素の事だと思います。しかし、ただ体を柔らかくしただけでは、姿勢を正す事は出来ません。もう一つの"意識の要素"が必要となるからです。

意識の要素
意識の矯正
 もう一つが意識の要素です。前述のからだの要素と比べイメージしにくいかと思いますので、まずはちょっと別な話から入ります。

 姿勢について一番多い誤解、それは「意識をすれば、誰でも姿勢を正せる」という誤解です。同じような誤解が「胸をはるのが、正しい姿勢」というもの。 多くの人は「胸をはる=正しい姿勢になる動作法」と単純に考えていますが、実はこれは大きな間違いです。まずは下の画像をご覧下さい。
姿勢矯正の動き図
 上の画像は、正しい姿勢(グレー)と悪い姿勢(うすい緑)を重ねたものです。2つの姿勢の形の違いが画像からよくわかりますね。画像をよく見ると、形の異なる部位は背中だけではなく全身にある事もわかります。この事から、姿勢を正す動きは「胸を張る」などの単一の動きではなく、全身を動かす必要のある事がわかります。 その動作は複雑である為、意識的に練習しないと身につける事は出来ません。つまり、矯正における意識の要素とは、この姿勢を正す動作を学習する事なのです。

 もちろん、このような姿勢を正す動作は、本来自然に身についているものであり、わざわざ学習するものではないはずです。しかし、悪い姿勢になって長い期間が過ぎると、その悪い姿勢を自然な姿勢と体は認識してしまい、本来身に付いていたはずの姿勢を正す動作を根本から忘れてしまうのです。その為、悪い姿勢でいた期間に比例して、意識の要素の重要度は増していく傾向があります。

姿勢矯正はスポーツを習得する事と同じ

 さて、姿勢矯正にはからだと意識の二つの要素のある事はご理解していただけましたでしょうか。
 姿勢矯正はスポーツを覚える事とよく似ています。つまり矯正をスポーツに例えれば、からだの要素は体力アップ、意識の要素は技術の習得と言い換える事が出来ます。

 姿勢矯正で忘れていはいけない事は、姿勢の問題はからだの問題である、という事です。当たり前だと思う方もいるかもしれませんが、一般の方はそうは考えていません。多くの方は、無意識に"態度の問題"と考えています。ですから、悪い姿勢の人を見ても「姿勢を正しなさい」と、ただ言うだけなのです。これを野球のコーチに例えれば、打てない選手に「根性で打て」とだけしか言わないのと同じです。しかし、打てないのは態度(根性)の問題ではなく、体の問題ですから、からだのどこを鍛えてどう動かすかを具体的に指導しない限り、打率は上がらないでしょう。姿勢も同様、具体的にからだを変化させて、その使い方も学習しないと矯正は成功しません。

効率のよい姿勢矯正の方法は?

 さて、ここまで解説した姿勢矯正の二つの要素を理解できていれば、矯正法の中でどれが一番効率的かわかってきます。まずは下図をご覧下さい。

意識の要素
からだの要素
装具
×
治療
×
エクササイズ

 上図は、それぞれの矯正法の要素別の効果を示したものです。表の×は効果はないという事。△は多少の効果はある、○は効果の高い事を示しています。

 図を見ると、からだの要素に関しては、どの方法でも一定の効果のある事がわかります。しかしその一方、意識の要素に効果のある方法は、エクササイズだけです。何故なら、繰り返し自分自身で体を動かす方法以外に、からだの意識を変える方法はないからです。装具や治療は自分自身でからだを動かす事のない為、意識の要素への効果はあまり期待できません。この事から、矯正に最適な方法は、エクササイズであると結論できます。何故なら、矯正の二つの要素ともに効果のあるのは、エクササイズだけだからです。

 この結論は、人によってはうれしくないかもしれません。姿勢矯正をするには必ず自身の労力を必要とする、という結論だからです。しかし、体を変化させる為には、多かれ少なかれ自己努力を必要とします。それはスポーツを覚えるのも、姿勢を矯正するのも同様なのです。

  さて、結論は出たのですが、もし方法を複数選択出来るとした場合、少し話しは違ってきます。実はエクサイズには弱点があります。上図からもわかる通り、からだを柔らかくする効果は△であまり良いとはいえない点です。悪い姿勢は体の深部が硬くなる事で主に形成されますが、エクササイズで体の深部まで柔らかくする事は困難なのです。しかし、この体の深部を柔らかくする事に優れた方法があります。それは治療です。他者から加えられる力は体の深部まで十分届くからです。

 つまり、もし矯正法を複数選択出来るならば、エクササイズと治療を組み合わせて行うと、お互いの弱点を補足しあい、最大に効率の良い矯正が出来ます。ちなみに、私の治療室で行なっているのが、この治療とエクササイズの組み合わせです。この組み合わせは、エクササイズのもう一つの弱点である「正確に行なうのが難しい」という問題も、指導を受ける事で克服できますから、長期的に考えれば、コストと効果のバランスが一番良い矯正方法だと、私自身は考えています。

 もちろん実際に矯正方法を選択する場合、人それぞれ環境や状況に違いがありますから、選べる方法には制限があるはずです。その中から一番良い方法を選択をするには、上図で示した効果の特徴と自分の姿勢の状態(変形の程度・悪い姿勢でいた期間等)を考慮し、単一、又は組み合わせで方法を選択するのが良いと思います。

姿勢矯正に必要な期間

姿勢矯正期間イメージ

 次にみなさんが気になるのは「矯正するにはどのくらい期間が必要か?」という事だと思います。
 矯正にかかる期間は、矯正方法によって異なるだけでなく個人差もありますので、一概には言えません。私の治療室では、だいたい3〜4ヶ月ぐらいです。もちろん、早い人は一ヶ月程度で終わる事もありますし、長くかかる人は1年以上に及ぶ事もあります。一ヶ月と一年では極端な差がありますが、事実としてこれぐらい個人差があるのです。もちろん、矯正期間の長くなりやすい方の特徴はあります。代表的な例を上げてみましょう。

  • 小さい頃から姿勢が悪いと言われていた
  • 自分で見ても姿勢の変形が強い
  • 緊張しやすい、体の力を抜くのが苦手
  • スポーツなど体を動かす経験をあまりしていない

 以上のような項目に該当する人は、矯正期間の長引く傾向はあります。しかし、それはあくまで傾向であり必ず長期間になるわけでもありません。つまる所、実際に矯正してみないとわからないのです。

 しかしそうはいっても、「できるだけ早く矯正を終わらせたい」と思うのが人情です。しかし、あまり短期間で終わらせようと意気込み過ぎると、ケガをしたり、やる気が燃え尽きてしまったりして、途中で矯正を諦めてしまう事がよくあります。ですので、あまり意気込みすぎず、淡々と矯正に取り組む態度が成功率を高めます。言うならば、毎日歯磨きをする程度のやる気で取り組むのが一番良いのです。

 そもそも姿勢は昨日今日で悪くなるものではなく、長い年月をかけて徐々に悪くなるものです。それを元に戻すという事は、時間を逆に進める事ですから、単純に考えれば悪くなった期間と同じくらいかかる理屈になります。もちろんそこまで長引く事はありませんが、体の変化には時間がかかります。個人差を考えて、少なくとも3〜4ヶ月程度はかかると最初から考えて矯正に取り組むのが良いと思います。

矯正には二つの段階がある

 姿勢矯正には少なくとも数ヶ月の期間が必要です。ですから、最初から完璧な姿勢を目指してしまうと、大抵は途中で息切れしてしまいます。そこで目標を2段階に分けましょう。最初は、正しい姿勢のできる段階。そしてその次は、正しい姿勢になる段階です。それぞれ解説していきましょう。

正しい姿勢のできる段階
正しい姿勢ができるイメージ
 矯正を初めて最初に到達するのがこの「正しい姿勢のできる段階」です。悪い姿勢ではないけど、正しい姿勢ともまだ言えない、という状態で、矯正の中間段階とも言えます。この段階でも、意識をして姿勢を正せば、完全に正しい姿勢の形もとる事が出来ます。しかし、意識していなければ維持する事はできません。ですから、正しい姿勢の"できる"段階なのです。

 この段階に至るには、1.姿勢の正す動作の基本を理解している(意識の要素)、2,正しい姿勢の形をとれる最低限のからだの柔らかさがある(からだの要素)、という二つの条件をクリアしている必要があります。ですから例えば、からだは完璧に柔らかくなったけれど姿勢を正す動作はまだよくわからない等、片方の条件だけクリアしただけではこの段階に至ったとは言えません。

 この段階まで至る期間は、私の治療室で平均1〜2ヶ月程度。期間にそれほど個人差はありませんし、本人にやる気があれば、どんなに姿勢が悪い方でもここまでは大抵到達する事ができます。この段階に至れば、他人から姿勢が悪いと指摘される事はあまりなくなるでしょう。又、仮にここで矯正をやめたとしても、完全に元の悪い姿勢に戻る事はまずありません。逆に言えば、この段階に至る前に矯正をあきらめてしまうと、時間が経つにつれ元の悪い姿勢に戻ってしまう傾向があります。ですから、まずはこの"正しい姿勢のできる段階"まで到達できれば、一定の矯正は成し遂げたと言って良いでしょう。

正しい姿勢になる段階
正しい姿勢
 さらに頑張って矯正を続けると、いずれ"正しい姿勢になる段階"に至ります。前段階では、意識をしていないと正しい姿勢を維持する事は出来ませんでしたが、この段階に至れば、特に意識する事もなく自然に正しい姿勢を維持する事が出来るようになります。ここまでくれば矯正は終了です。この後はからだを柔らかくするエクササイズを最低限継続して姿勢を維持する段階になります。仮にここでエクササイズをやめてしまっても、もとの悪い姿勢に戻ってしまうという事はまずないでしょう。

 この段階に至るまでの期間は、前段階から1〜6ヶ月、長い人は一年以上かかる場合もあります。しかし、前段階までに比べれば労力は半減しますので、継続する事はさほど難しくありません。例えば私の治療室の場合、前段階に至るまでは週一回の治療が必要ですが、それ以後は月に1〜2回程度の治療で十分になります。


 矯正を始める時は、最初の段階である「正しい姿勢のできる段階」をまず目標にする事をお勧めします。この段階まではかなり姿勢の悪い方でもさほど期間もかからず矯正できますし、見た目も健康状態も元の状態よりは格段に良くなります。 この段階で見た目も健康状態も満足なら、そこで矯正をやめても良いでしょう。もし「完全に正しい姿勢にまでなりたい」と思ったならば、引き続き矯正を継続すればよいのです。

姿勢矯正の年代別の傾向を知ろう
各年代の人たちイラスト

 次は年代別の矯正の傾向を見ていきましょう。たまに中高年を過ぎた方から「高齢だと姿勢矯正は無理ですか?」という質問を受ける事があります。姿勢矯正は若い人のやる事と思われている方も多いですが、実は30代以降が中心です。私の治療室では60代、70代以上の方も多くいらっしゃいます。もちろん、若い方ほど矯正しやすいのは事実です。しかし、30代以降でも矯正は十分可能ですし、年齢が高いからこそのメリットもあります。それぞれの年代別の傾向をみていきましょう。

10代後半〜20代前半まで
 20代前半ぐらいまでは、悪い姿勢になってからの期間もまだ短い為、体に痛みもなく、からだの硬さもまだひどくありません。その為、矯正はスムーズに進みます。

 しかしその一方困難なのは、矯正への「やる気」の維持です。いくら矯正がスムーズに進むと言っても、1〜3ヶ月間ぐらいの期間は必要です。しかし、からだに痛みもないこの年代にとって、悪い姿勢はまだ見た目だけの問題に過ぎません。そうなると、例え数ヶ月でも矯正へのやる気を維持するのは実際なかなか大変な事なのです。このような事から、この年代に一番必要なのは、本人の強い意志と言えます。意志が続かなければ、結局は失敗してしまうからです。

20代後半〜30代後半まで
 20代後半から30代は、姿勢矯正への意識が一番高くなる年代です。その理由は、悪い姿勢に伴う腰痛や肩こりなどの症状が出始める年代だという事があげられます。矯正が進めば、それに比例して症状も改善される為、「やる気」の維持もしやすいのです。からだの条件は10〜20代前半に比べれば少し悪いのですが、継続が重要な姿勢矯正において「やる気」の強さはそれを上回るメリットです。私の治療室でも多くの方が矯正をしっかり終わらせる事が出来ています。

40代〜50代前半まで
 40〜50代になると体はかなり硬くなっています。その為、矯正の効果の現れるまでに期間の必要なケースが多くなります。しかし、個人差の大きい年代で、スポーツなどの経験のある方は若年世代と同様の期間で効果の出てくる場合も多くあります。悪い姿勢に伴う症状は大抵慢性化して強くなっていますので、「やる気」の維持には問題ありません。効果の出始めるまで時間はかかりますが、そこを乗り越えれば20〜30代と比べて傾向はさして変わりません。

50歳後半以上
 悪い姿勢は40代くらいで完成してしまう為、からだにおいての条件は40代とほとんど同じです。ですから、50歳以上でも体を柔らかくする事については十分可能です。その一方、問題になるのは意識の要素です。あまりにも長期間悪い姿勢であった為、その悪い姿勢を"通常の姿勢"とからだは完全に認識しています。こうなってしまうと、姿勢を正す動作を身につけるまでに時間のかかる事が多くなります。もちろん、諦めずに頑張れば出来るようにはなりますが、やはり、それまでの"やる気"の維持が重要になります。


 以上、各年代における矯正の傾向を解説しました。まとめると、からだを柔らかくする事に関しては、骨に変形などの問題がある場合を除けば、いくら高齢になっても問題なく可能です。硬さのピークは40代後半ぐらい。それ以降は高齢になってもあまり変わりません。しかし、意識の要素、つまり姿勢を正す動作を覚える事に関しては、高齢になるほど悪い姿勢でいた期間が長くなる為、長期化する傾向があります。又、矯正には最低でも2〜3ヶ月はかかる為、どの年代においても「やる気」の維持は最大のポイントです。

姿勢矯正をして健康になろう
健康な人イラスト

 姿勢矯正をする動機は人それぞれですが、"見た目を良くしたい"という気持ちは、誰でも少なからずあるはずです。しかし、見た目だけを動機に矯正を行う場合には注意が必要です。何故なら、見た目は良くなったけれど、からだの調子は逆に悪くなった、というケースが少なからずあるからです。

 悪い姿勢と健康は深く関連しています(詳しくは「姿勢と健康」の章で解説しています)。特に肩こり・頭痛・腰痛は、悪い姿勢そのものが原因である事も少なくありません。このような症状は、矯正の程度に比例して改善するのが通常です。しかし、見た目だけを目的に矯正してしまうと、逆に健康状態が悪化してしまう場合があります。

 このような事がおきる原因は、見た目の良い姿勢は一つだけではなく、複数ある事に起因しています。その複数の中には、健康に良くない姿勢も含まれていて、仮にそのような"見た目の良い健康に悪い姿勢"を目標に矯正してしまえば、当然、健康状態は矯正前より悪化する事になります。そして、そのような姿勢の代表が「胸を張った姿勢」である胸つき出し姿勢です。下図を見てください。
正しい姿勢の比較
 図の左は胸を張った姿勢である「胸突き出し姿勢」、右は私のオススメする正しい姿勢です。左の胸を張った姿勢は胸部が強調されてメリハリのあるかっこいい姿勢です。洋装のモデルさんが好んでする姿勢ですね。一方、右の正しい姿勢はメリハリはありませんが、背筋のすっと伸びたキレイな姿勢です。これは和装のモデルさんの姿勢に例える事ができます。

 あなたはどちらがより良い姿勢に見えますか? 多くの方はメリハリのある姿勢を好む傾向がありますから、左の胸をはった姿勢を選ぶかもしれませんね。もちろん見た目で選ぶのならば、どちらを選んでもかまいません。しかし、健康という観点から考えると、左の胸をはった姿勢は"正しい"とは言えないのです。

 正しい姿勢に"健康"という条件は必須だと私は考えています。何故なら、正しい姿勢は長期間維持するものだからです。しかし、胸を張る姿勢は全身をつねに力んでいないと維持できない姿勢です。実感のない方は実際に胸を張ってみてください。背筋が強く緊張している事が体感出来るはずです。胸を張るのに慣れてない人ならば、10分も続けていれば背中が痛くなるはずです。

 こういった事に気付かずに、姿勢を正そうと胸を張り続けてしまい、肩こり・頭痛・腰痛などの症状に悩まさるようになってしまう方は後を絶ちません。そうなった原因の根本は、見た目の目的だけで姿勢を正そうとした事にあります。姿勢矯正は、見た目の問題だけではなく健康にも注目して行うべきです。

 現在書物などで紹介されている矯正方法には、健康という観点がぽっかり抜けているものがまだまだ多く見受けられます。ですから、矯正方法を選択する時には"胸をはる"事を強調する方法には注意が必要だと思います。このホームベージで紹介する正しい姿勢(上図右)は、見た目だけでなく健康にもも良い姿勢ですから、目安として覚えておくとよいと思います。

まとめ

最後にまとめです。

  • 姿勢矯正の方法には、装具・治療・エクササイズの三種類がある。
  • 矯正には二つの要素がある。一つはからだの柔らかくする要素(からだの要素)。もう一つは「正しい姿勢になる動作法」を学ぶ要素(意識の要素)。
  • 矯正の方法はエクササイズがお勧め。しかし、一番効率の良い方法はエクササイズと治療の組み合わせ。
  • 矯正には「正しい姿勢ができる」「正しい姿勢になる」の二段階がある。まずは「正しい姿勢ができる」を目標として姿勢矯正に取り組むのが良い。
  • 矯正は高齢になると難度は高くなるが、個人差が大きく一概には言えない。全ての年代で「やる気」の有無が一番のポイント。
  • 見た目だけを気にして姿勢矯正をすると、胸つきだし姿勢になり健康を害する事がある。本当に正しい姿勢は見た目がよいだけでなく、健康でもある姿勢。

 次はいよいよ矯正クササイズの実践法の紹介です。


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