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猫背矯正ベルトの効果について

猫背矯正ベルト

 世間には様々な姿勢矯正グッズがありますが、中でも一番人気なのは猫背矯正ベルトでしょう。インターネットで調べると沢山の類似品のある事がわかりますが、背中をゴムバンド等で固定するという基本的な仕組みは共通のようです。

 身につけるだけで姿勢矯正のできる手軽さが魅力の猫背矯正ベルトですが、実際の所、矯正の効果はどれほど期待できるのでしょうか。ここでは、猫背矯正ベルトの有効性について考えてみようと思います。

矯正の効果は少ないかも?

 結論から先に言いいましょう。残念ながら、猫背矯正ベルトに姿勢矯正の効果はあまり期待できないかもしれません。実際、私の治療室で猫背矯正ベルトを使われていた方にお話を聞いても、効果はあまりなかったと話される方がほとんどです。私自身も、猫背矯正ベルトを用いただけでは、姿勢矯正はできないであろうと考えています。そう考える主な理由は2つあります。

 一つ目は、矯正力不足です。悪い姿勢になる原因は、からだの深部にある組織が硬く変形してしまう事にあります。その為、矯正するには強い力を必要とします。しかし猫背矯正ベルトには、からだの動きを過剰に制限しないよう一定の柔軟性があります。その為、どうしても矯正する力が不足してしまうのです。

 もう一つの理由は、悪い姿勢になると背中だけではなく、全身が変形するからです。下の写真をご覧下さい。

悪い姿勢と正しい姿勢の形の違い

 上図は、猫背姿勢(うすい緑)と正しい姿勢(グレー)を重ねた画像です。重なっている部分を見ると、かたちの異なる部分は背中だけではなく全身にある事がわかります(姿勢の変形に関して詳しくはこちら)。 特に肩から後頭部にかけては、背中に次いで大きく変形する部分です。しかし、猫背矯正ベルトは、背中以外の矯正力は皆無です。つまり、仮に猫背矯正ベルトで背中だけ矯正しても、他の部分がそのままでは姿勢全体は矯正されないのです。

 以上、矯正ベルトに矯正の効果があまり期待できない理由を解説しました。ここまでを読むと、猫背矯正ベルトを使用する事に意味が無いように感じるかもしれませんが、使い方を間違えなければもちろんメリットもあります。次は、猫背矯正ベルトを使用するメリットを紹介しましょう。

悪い姿勢を予防する効果はある

 猫背矯正ベルトを用いる最大のメリットは、さらなる姿勢悪化の予防にあります。

 特にだらしのない座り方や立ち方のクセのある方は、そのクセをあらためる方法として猫背矯正ベルトはかなり有効です。背中を固定する事で、だらしのない姿勢そのものを出来ないようにしてしまう効果があるからです。作業中どうしてもだらしのない姿勢をしてしまう方は、作業開始から一時間、又は作業後半の一時間程度、ベルトをつけて強制的に背中を固定するようにしてみましょう。それ以上の姿勢悪化を防ぐ事が出来ると思います(※正しい座り方について詳しくはコチラをごらん下さい)。

 予防として猫背矯正ベルトを用いるコツは、作業中ずっとつけているのではなく、作業開始と後の一定時間だけ身につけるようにする事です。そうする事で、筋力低下を防ぐ(詳しくは後述します)だけでなく、普段の座り方のクセも認識しやすくなります。このように、主に「予防」の効果を期待して用いるならば、猫背矯正ベルトには一定の効果があると言っていいでしょう。

 又、猫背矯正ベルトを単体で用いるではなく他の手法と合わせて行う事で、弱い矯正力を補う事も可能です。例えば、こらちで紹介しているエクササイズを行いながら猫背矯正ベルトも用いるのならば、姿勢の変形がさほどではない方でしたら十分姿勢矯正は可能だと思います(※姿勢矯正の方法について詳しくはこちらをご覧下さい)。

注意点その1:ベルトを長時間つけたままにしない

 猫背矯正ベルトを使う場合、注意しなくてはいけない点が2つあります。一つは、ベルトを長時間つけたままにしない事です。特に子供に使用する場合は注意が必要です。場合によって、さらなる姿勢悪化を招くケースがあるからです。

 子供の姿勢悪化の典型的な原因の一つは、からだを支える筋肉の発達が悪い事によるものです。日々からだを動かす事もあまりなく、直立している時間も少ないと、からだの支える筋肉の発達が弱くなり、お腹を前に突き出して背中を丸めた姿勢になる場合があります。一見すると典型的な猫背そのものですから、猫背矯正ベルトの使用が適しているように思えますが、この場合は逆効果になります。何故なら、からだを支える筋肉の補助としても猫背矯正ベルトは働くからです。

 人間のからだのには「働いていないと急速に衰える」という性質がある事はよく知られています。 例えば、骨折などをしてギブスをすると、わずか数週間でも、固定していた部位が痩せ衰えてしまう事があるという事実を知っている方も多いでしょう。これはギブスが患部を固定すると同時に筋肉の働きも兼ねた事で、もともとあった筋肉が急速に衰えてしまった事が原因です。これと同様に、猫背矯正ベルトで背中を固定すると、姿勢を支える筋肉が衰えて、より姿勢が悪くなってしまう事があるのです。

 このような事から、特にお子さんに使用する場合は、姿勢悪化の原因を見極めてから使用するのがオススメです。

注意点その2:ベルトの締め付けすぎに注意

 もう一つの注意点は、ベルトの締め付け強度を強すぎないようにする事です。先にも解説したように猫背矯正ベルトは筋肉の変わりとしても働く為、締め付けに比例してもともとあった筋力は弱まりますから、大人であっても締め付け過ぎればさらなる姿勢悪化の原因となります。又それだけでなく、強く背中を締めつけられた事で肋骨や背骨が固まってしまい、胸全体が癒合したようにカチコチに固まってしまうケースもあります。

  実際、このようなケースの患者さんが私の治療室にも来られた事があります。30代の女性でしたが、子供の頃に猫背矯正ベルトをかなり強めに長期間装着したままでいたために、背中全体がカチコチに固まり、肩こりや背部痛に悩まされているだけでなく、呼吸も浅くなり息苦しさにも悩まされるようになっていました。治療をしましたが、硬いためになかなか効率的に進まず、長期間の治療が必要になってしまいました。

 とは言え、昔と比べて最近の商品は安全性を考えて作られていますから、ここまで酷いケースは最近見かけませんが、商品の安全制限を超えて強く締め付けてしまえば、そうなる可能性は捨てきれません。猫背矯正ベルトは、商品の推奨されている強度で使うようにして下さい。

まとめ

 最後にまとめです。

  • 猫背矯正ベルト単体での姿勢矯正効果はあまり期待しない方が良い。
  • 悪い姿勢にならないようにする予防の効果は十分期待できる。
  • 長時間使用し続けると、筋力が低下してより姿勢が崩れる事も。特に子供に使用する場合は注意。
  • ベルトを締め付けすぎると、肋骨と背骨が固着して背中がカチカチになってしまうリスクがある。ベルトの締め付けは強くしすぎない事。

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