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膝の痛みと姿勢との関係

膝の画像

 からだのどこであれ「痛み」はやっかいな問題ですが、その中でも「膝の傷み」は特別やっかいです。痛みで歩く事がおっくうになるだけでなく、座る事もままならなくなり、生活の質を著しく下げてしまうからです。

 膝の痛みを引き起こす原因は、ケガや疲労、老化によるものなど様々です。原因の多くは日常生活に潜んでいる為、避ける事が難しい事も膝の痛みをよりやっかいなものにしています。しかし、そういった中にも意識すれば避けられる原因もあります。その一つが「悪い姿勢」です。

 もちろん、全ての膝の痛みに悪い姿勢が関わっているわけではありませんが、痛みの始まったきっかけがなく腫れなどの外傷もない場合は、少なからず悪い姿勢が関わっている場合が多いと私自身は考えています。そこでここでは、悪い姿勢と膝の痛みの関係について解説していきましょう。

悪い姿勢と関係するのは膝の「筋肉」と「関節」の痛み

 「膝の痛み」と一口に言っても、筋肉や靭帯、クッションの役割をしている半月板など、痛みの引き起こす部位は様々です。その中で悪い姿勢と特に関係しているのは、膝の「筋肉」と「関節」の痛みです。

 筋肉の痛みは、膝の裏、又は内側の筋肉が過剰に緊張する事で引き起こされます。痛む場所が曖昧で、なぜか膝の正面にも痛みが広がる特徴がある為、筋肉の痛みである事に気付く事はほとんどありません。痛みの質は「鋭い」というより「鈍い」痛みで、階段の登り降りでは主に「登り」の時に痛むのが特徴です。

 一方、関節の痛みは、膝の正面に感じるやや「鋭い」痛みで、膝に体重が乗ると強く痛みます。階段の登り下りでは「下り」の時に強く痛む傾向があります。

 これら二つの内より深刻なのは、後者の関節の痛みです。痛みが慢性化しやいだけでなく、その改善もより困難だからです。しかし、ここで一つ知っておくべき事があります。実は、膝の関節は二つあるのです。

膝関節の図解

 上の図は、膝の関節の構造を示した模式図です。図中Aは実際に膝を折り曲げする関節で、「膝の関節」と言えば通常こちらを意味します。そして図中のBがもう一つの膝の関節です。一般に「膝のお皿」と言われている骨の関節で、専門的には膝蓋大腿(しつがいだいたい)関節といいます。おまけのような関節ですが、膝にかかる負担を大幅に減らす働きをしていますから、なくてはならない関節です。

 これら二つの内より深刻な痛みを引き起こすのは、前者のAの関節です。一方、後者の膝蓋大腿関節の痛みである場合、個人差はありますが痛みはそこまで激烈ではなく、慢性化していなければ改善も難しくありません。そして、悪い姿勢と深く関与しているのも後者の膝蓋大腿関節の痛みなのです。

 膝蓋大腿関節の痛みには以下のような特徴があります。

  • 痛み始めた明確なきっかけがない。
  • 目立った関節の変形や腫れはない。
  • 常に痛いわけではなく、長時間歩いた後などに痛い。
  • 膝を動かすと「ごりごり」音がする。

 もちろん、正確に判別するには、病院で検査をするのが一番です。しかし一般に、膝に腫れや変色などもなく痛みはあってもとりあえず歩く事ができる程度であれば、後者の膝蓋大腿関節の痛みである場合が多いと思います。

 ここまでをまとめます。悪い姿勢と関係しているのは、膝の痛みの中でも特に「筋肉」と「膝蓋大腿関節」の痛みです。つまり、この二つの痛みであるならば、姿勢を矯正さえすれば、十分改善が可能とも言えるのです。

悪い姿勢は膝蓋骨を圧迫する

 では次に、悪い姿勢になるとなぜ膝に痛みが出るのか、その仕組みを解説しましょう。悪い姿勢には共通の変形があります。それは「からだ全体の反り返り」です。共通ですから、もちろん猫背の人もそうなっています。

悪い姿勢になると膝関節はどうなるのか

 上図は、からだが反り返ると下半身がどのように動くのかを模式的に示しています。右の猫背姿勢のオレンジ色部分に注目して下さい。全身が反り返る事で、おなかが前に突き出てきている事がわかります。次いで下半身を見ると、お腹に引きずらるようにして「ふともも」が前に傾いています。その結果、膝に「えびぞり」の力が加わってしまうのです。(上図の下を参照)。

 膝にえびぞりの力が加わると、膝の背面の筋肉は引き延ばされて緊張し、正面の「膝のお皿」は押し付けられて圧迫されます。このような状態が続くとまず最初に膝裏の筋肉が痛みだします。そしてさらに時間が立つと、膝のお皿の裏側に炎症が引き起こされ、痛むようになってしまうのです。

 この一連の流れがイメージできない方は、実際に全身をのけぞらせてみてください。膝の表裏にかかるストレスの増加する事が感覚的に理解できるはずです。

悪い姿勢から膝を守る為には

 以上、悪い姿勢と膝の痛みの関係について解説しました。繰り返しにになりますが、膝の痛みの原因は様々ですから悪い姿勢がつねに関係しているわけではありません。しかし、病院に行っても原因がわからないような時は、一度自分の姿勢をチェックしてみるとよいでしょう。もし、背中が丸いだけでなくお腹を前に突き出すような姿勢をしているならば、膝の痛みの原因は悪い姿勢であるかもしれません。

 悪い姿勢による膝の痛みは、姿勢矯正をすれば時間とともに軽減します。又、姿勢矯正は膝の痛みの予防としてもオススメです。特に女性は更年期になると、ホルモンバランスの崩れから骨がもろくなり膝を痛めやすくなりますから、姿勢を気にされているのであれば、是非矯正にチャレンジしてみるのが良いと思います。

膝の痛みの改善にオススメのストレッチ

 最後に膝の痛みに効果的なストレッチを紹介します。紹介するのは姿勢矯正と平行して行うとより効果的なストレッチですから、こちらで紹介している姿勢矯正エクササイズと合わせて行うとよいでしょう。

1.前屈のストレッチ
 まず一つ目は、前屈のストレッチです。膝の裏を伸ばすよう意識して行ってください。詳しいやり方はこちらで紹介しています。

前屈のストレッチ

2.ふとももの前のストレッチ
 もう一つはふとももの前のストレッチです。ふとももの前の筋肉をストッレッチする事で、膝蓋大腿関節の動きをなめらかにする効果があります。下図のように膝をまげ、からだを後ろに反らすようにすると、ふとももの前が伸びます。このまま30秒程度維持して、左右別々に行いましょう。

大腿四頭筋のストレッチ


 以上、悪い姿勢による膝の痛みに効果的なストレッチを2つ紹介しました。すでに膝の痛みがある場合は、いずれのストレッチも注意して行うよにして下さい。もし、膝に違和感を感じたら、力を弱めるか中止するようお願いします。

まとめ

 最後にまとめです。

  • 膝の痛みには悪い姿勢と関係しているものもある。
  • 特に悪い姿勢と関係しているのは、膝の筋肉と膝蓋大腿関節(しつがいだいたいかんせつ)の痛み。
  • 悪い姿勢は膝をえびぞりの状態にして、膝の表裏にストレスを与える。
  • 悪い姿勢による膝の痛みには、前屈ストレッチと前ふともものストレッチが効果的。
  • 根本的な解決には姿勢矯正が必要となる。

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